サービス付き高齢者向け住宅の事業収支シミュレーション

前提条件

建築主土地オーナー
運営主体介護会社
事業内容賃貸住宅、食事サービス、訪問介護、居宅介護支援、クリニックを誘致
延べ床面積2,195㎡、うち医療テナント部分138㎡(42坪)
居室面積1人用51戸(51人) 2人用6戸(12人) 合計57戸(63人)
食事サービス朝食650円 昼食670円 夕食670円 合計1,890円
賃料等月額保証賃料3,400千円 保証金 月額賃料×6ヵ月=20,400千円
開業前資金保証金20,400千円+開業準備費14,000千円+運転資金30,000千円=64,400千円
資金調達自己資金15,000千円 融資50,000千円(8年返済、年利2.5%)

※1ヶ月=30日として計算。

損益計算(開業前~12ヵ月目)

損益計算(開業前~12ヵ月目)

(単位:千円)

折れ線グラフ

・開業10ヵ月目に入居率90%達成。以後、90%を維持していると仮定。
・単月では5ヵ月目に黒字達成。
・累計の赤字は1年目では解消出来ていない。
・キャッシュは余裕を持って借入れしているので、一番キャッシュが少ない6ヵ月目でも1千万円ほどの残高がある。

損益計算(2年目~12年目)

損益計算(2年目~12年目)
(単位:千円)

折れ線グラフ

販売費及び一般管理費、キャッシュフロー(開業前~12ヵ月目)

開業前~12ヵ月目

販売費及び一般管理費、キャッシュフロー(2年目~12年目)

2年目~12年目

損益計算の解説

損益計算の解説

上図の解説

  1. 2番の解説
    この事例では、稼働率(入居率)60%で損益分岐点に達していますが、少なくとも80%を損益分岐点にしたいところです。
  2. 5番の解説
    医療テナントの賃料収入は、相場の120%前後に設定しています。サービス付き高齢者向け住宅は、医療を利用される方が多く住んでおられるので診療所にとってメリットが多いです。そのため、賃料が相場より高くても需要はあると思われます。
  3. 7番の解説
    目標として、開業5ヵ月目に単月黒字、15ヵ月目に累積赤字を解消を目指したいところです。

販売費及び一般管理費の解説

販売費及び一般管理費の解説

上図の解説

  1. 1番の解説
    営業活動はオープンの4ヶ月前から始めます。そのための活動費は必ず織り込んでください。
  2. 3番の解説
    この事例では、賃料は最初から満額を支払っていますが、オーナーと交渉して①最初から満室にならないことと、②社会的意義の高いことを説明しフリーレントの期間を設けてもらうことを相談して下さい。
    この時、重要なことは、この賃料の交渉をオーナーが銀行から融資の相談をする時までにすることです。なぜなら、オーナーは銀行に融資を申し込みをするとき賃料の予想を立てて、融資額を決定し借金の返済計画を立てます。
    そのため、オーナーとしては融資決定後に賃料交渉されても、返済計画に影響するので応じられないかもしれません。
    もっとも、資金余裕のあるオーナーなら問題はないでしょうが。
  3. 4番の解説
    この事例は賃料は売上の24%ですが、賃料の上限は安定期の月商の20%~25%が目安です。
  4. 6番の解説
    人件費は、サービスの質を低下させずに売上の40%までに抑えてください。
    また、スタッフは入居者の増加に合わせて採用することにより、人件費を抑えることができます。
    さらに、必要な時間帯に必要な人員を重点配置することや、緊急通報装置は双方向会話型で携帯端末などに転送するようにして人員を減らす工夫をして下さいい。

キャッシュフローの解説

キャッシュフローの解説
上図の解説

  1. 10番の解説
    賃料収入は、前月末入金、介護保険収入は2ヵ月後に入金されることに注意しながら作成します。

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