以下は、平成24年介護報酬改定の内容です。

通所介護

改定のポイント

時間区分が変更され、通所介護事業所の算定が最も多い6時間弱のサービス提供の請求が、これまでの6時間以上8時間未満の報酬単位から、5時間以上7時間未満の報酬単位に変更されます。

また、レスパイトケアの観点から、延長加算が12時間まで算定できるように変更されました。

個別機能訓練加算が見直され、これまでの個別機能訓練加算Ⅰが基本報酬に包括され、個別機能訓練加算ⅡがⅠに名称変更、新たに個別機能訓練加算Ⅱが創設されました。

訪間介護等と観点が異なる同一建物減算が新設され、送迎が行われない同じ建物からの通いの場合、現在は基本報酬に包括されている送迎加算分の減算が行われます。

その減算対象は、高齢者住宅と共に、所謂、お泊りデイサービスにも広げられています。

配置基準の常勤換算制の導入

  1. 生活相談員及び介護職員等について、通所介護の単位ごとに提供時間帯を通じた人員配置から、サービス提供時間数に応じた人員配置に見直す。
  2. ただし、介護職員は提供時間帯を通じて1以上配置しなければならないこと。
  3. 手厚いケアが必要な時間帯に職員数を集中させることが可能。
  4. 小規模デイでは恩恵が薄い。

小規模デイ試算 6-8時間と新時間区分の比較

6-8時間個別機能訓練加算(Ⅰ)小計(A)5-7時間(B)差B-A(C)比較B/A
要介護179027817700▲117▲14.3%
要介護292227949825▲124▲13.0%
要介護31055271082950▲132▲12.1%
要介護411872712141074▲140▲11.5%
要介護513202713471199▲148▲10.9%
6-8時間個別機能訓練加算(Ⅰ)小計(A)7-9時間(B)差B-A(C)比較B/A
要介護179027817809▲8▲1.0%
要介護2922279499510.2%
要介護310552710821100181.6%
要介護411872712141248342.8%
要介護513202713471395483.5%

小規模デイ試算(3-4時間と3-5時間 2単位型)

3-4時間個別機能訓練加算(Ⅰ)小計(A)3-5時間(B)差B-A(C)比較B/A
要介護143727464461▲3▲0.6%
要介護250427531529▲2▲0.4%
要介護357027597596▲1▲0.2%
要介護4636276636630
要介護5702277297290

要介護2での新時間区分シミュレーション

3-5時間3-5時間5-7時間5-7時間7-9時間7-9時間
提供時間3.5時間×23.5時間×25.5時間5.5時間7.5時間7.5時間
小規模529単位825単位951単位
通常規模457単位708単位811単位
利用定員10人×2単位30人×2単位10人30人10人30人
稼働日数25日25日25日25日25日25日
地域区分101010101010
収入(A)2,645,500円6,855,000円2,062,500円5,310,000円2,377,500円6,082,500円
時間単価15,11739,17115,00038,61812,68032,440
収入(A)×稼働率80%(B)2,116,400円5,484,000円1,650,000円4,248,000円1,902,000円4,866,000円
人員2.3人5.5人2.3人5.5人2.3人5.5人
時給1,500円1,500円1,500円1,500円1,500円1,500円
勤務時間×日数8時間×25日8時間×25日7時間×25日7時間×25日8.5時間×25日8.5時間×25日
人件費690,000円1,650,000円603,750円1,443,750円733,125円1,753,125円
経費率(B)×50%1,058,200円2,742,000円825,000円2,124,000円951,000円2,433,000円
差し引き利益368,200円1,092,000円221,250円680,250円217,875円679,875円
利益率17.3%19.9%13.4%16%11.4%13.9%

5-7と7-9の混在

  1. 同時開始&終了は求められていない。
  2. 5-7と7-9をひとつのサービス単位として一体提供可能
    → 利用者のニーズに合わせた柔軟な対応(2.23担当課長介護 振興課資料より抜粋
  3. ローカルルールへの対策急務 → 主張すること

改定の概要

報酬体系

通常規模型以上事業所の基本報酬について、看護業務と機能訓練業務の実態を踏まえて適正化を行う。

また、小規模型事業所の基本報酬について、通常規模型事業所との管理的経費の実態を踏まえて適正化を行う。

サービス提供時間の実態を踏まえるとともに、家族介護者への支援(レスパイト)を促進する観点から、サービス提供の時間区分を見直す。

【小規模型通所介護費の場合】

改正前


3時間以上4時間未満4時間以上6時間未満6時間以上8時間未満
要介護1437単位588単位790単位
要介護2504単位683単位922単位
要介護3570単位778単位1055単位
要介護4636単位872単位1187単位
要介護5702単位967単位1320単位


矢印画像
改正後


3時間以上5時間未満5時間以上7時間未満7時間以上9時間未満
要介護1461単位700単位809単位
要介護2529単位825単位951単位
要介護3596単位950単位1100単位
要介護4663単位1074単位1248単位
要介護5729単位1199単位1395単位



【通常規模型通所介護費の場合】

改正前


3時間以上4時間未満4時間以上6時間未満6時間以上8時間未満
要介護1381単位508単位677単位
要介護2437単位588単位789単位
要介護3493単位668単位901単位
要介護4549単位748単位1013単位
要介護5605単位828単位1125単位


矢印画像
改正後


3時間以上5時間未満5時間以上7時間未満7時間以上9時間未満
要介護1400単位602単位690単位
要介護2457単位708単位811単位
要介護3514単位814単位937単位
要介護4571単位920単位1063単位
要介護5628単位1026単位1188単位



【大規模型通所介護費(Ⅰ)の場合】

改正前


3時間以上4時間未満4時間以上6時間未満6時間以上8時間未満
要介護1375単位499単位665単位
要介護2430単位578単位776単位
要介護3485単位657単位886単位
要介護4540単位735単位996単位
要介護5595単位814単位1106単位


矢印画像
改正後


3時間以上5時間未満5時間以上7時間未満7時間以上9時間未満
要介護1393単位592単位678単位
要介護2449単位696単位797単位
要介護3505単位800単位921単位
要介護4561単位904単位1045単位
要介護5617単位1009単位1168単位




【大規模型通所介護費(Ⅱ)の場合】

改正前


3時間以上4時間未満4時間以上6時間未満6時間以上8時間未満
要介護1365単位486単位648単位
要介護2418単位563単位755単位
要介護3472単位639単位862単位
要介護4525単位716単位969単位
要介護5579単位792単位1077単位


矢印画像
改正後


3時間以上5時間未満5時間以上7時間未満7時間以上9時間未満
要介護1383単位576単位660単位
要介護2437単位678単位776単位
要介護3492単位779単位897単位
要介護4546単位880単位1017単位
要介護5601単位982単位1137単位



延長加算

改正前

指定通所介護を行った後に引き続き日常生活上の世話を行った場合であって、当該指定通所介護の所要時間と当該指定通所介護の前後に行った日常生活上の世話の所要時間を通算した時間が8時間以上となり、以下に該当する場合は所定単位に加算する。

  1. 8時間以上9時間未満    50単位
  2. 9時間以上10時間未満  100単位

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改正後

12時間までの延長加算を認め、長時間のサービス提供をより評価する仕組みとする。

指定通所介護を行った後に引き続き日常生活上の世話を行った場合であって、当該指定通所介護の所要時間と当該指定通所介護の前後に行った日常生活上の世話の所要時間を通算した時間が9時間以上となり、以下に該当する場合は所定単位に加算する。

  1. 9時間以上10時間未満    50単位
  2. 10時間以上11時間未満  100単位
  3. 11時間以上12時間未満  150単位


個別機能訓練加算

改正前

個別機能訓練加算(Ⅰ)   27単位/日
個別機能訓練加算(Ⅱ)   42単位/日

※算定要件
個別機能訓練加算(Ⅰ)   
次の掲げる基準のいずれにも適合すること。

  1. 指定通所介護を行う時間帯に1日120分以上、専ら機能訓練指導員の職務に従事する理学療法士等(注)を1名以上配置していること。
  2. それぞれの職種の者が共同して利用者ごとに個別機能訓練計画を作成し、当該計画に基づいて計画的な機能訓練を行っていること。

個別機能訓練加算(Ⅱ)
次の掲げる基準のいずれにも適合すること。

  1. 指定通所介護を行う時間帯を通じて、専ら機能訓練指導員の職務に従事する常勤の理学療法士等(注)を1名以上配置していること。
  2. それぞれの職種の者が共同して利用者ごとに個別機能訓練計画を作成し、当該計画に基づいて計画的な機能訓練を行っていること。
  3. 個別機能訓練計画作成に当たって、利用者の自立の支援と日常生活の充実に資するよう複数の種類の機能訓練の項目が設定され、その実施に当たっては、グループに分けて活動を行っていること。

(注)理学療法士等とは、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護職員、柔道整復師又はあん摩マッサージ指圧師

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改正後

利用者の自立支援を促進する観点から、利用者個別の心身の状況を重視した機能訓練(生活機能向上を目的とした訓練)を適切な体制で実施した場合の評価を行う。

個別機能訓練加算(Ⅰ)  42単位/日(名称変更)
個別機能訓練加算(Ⅱ)  50単位/日(新規)
   
次の掲げる基準のいずれにも適合すること。

  1. 専ら機能訓練指導員の職務に従事する理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士等を1名以上配置していること。
  2. 機能訓練指導員、看護職員、介護職員、生活相談員等が共同して、利用者ごとの心身の状況を重視した、個別機能訓練計画を作成していること。
  3. 個別機能訓練計画に基づき、機能訓練の項目を準備し、理学療法士等が利用者の心身の状況に応じた機能訓練を適切に行っていること。

(注)現行の個別機能訓練加算(Ⅰ)は基本報酬に包括化、現行の個別機能訓練加算(Ⅱ)は個別機能訓練加算(Ⅰ)に名称を変更。


個別機能訓練加算(Ⅰ)個別機能訓練加算(Ⅱ)
人員配置サービス提供時間を通して、常勤専従の理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護職員、柔道整復師又はあん摩マッサージ指圧師を一名以上同左。但し、常勤の求め無し。
個別機能訓練計画の作成機能訓練指導員、看護職員、介護職員、生活相談員その他の職種の者が共同して、利用者ごとに個別機能訓練計画を作成機能訓練指導員、看護職員、介護職員、生活相談員その他の職種の者が共同して、利用者ごとの心身の状況を重視して個別機能訓練計画を作成
機能訓練利用者の生活意欲が増進されるよう利用者を援助し、心身の状況に応じた機能訓練計画に基づき、計画的に機能訓練を行う計画に基づき、利用者の生活機能向上を目的とする機能訓練の項目を準備し、理学療法士等が、利用者の心身の状況に応じた機能訓練を適切に行う
主な違い利用者ごとに個別機能訓練計画利用者の生活機能向上に資するよう利用者ごとの心身の状況を重視した個別機能訓練計画


同一建物に対する減算(新規)

通所介護事業所と同一建物に居住する利用者については、真に送迎が必要な場合を除き、送迎分の評価の適正化を行う。
新規

所定単位数から94単位/日を減じた単位数で算定

※算定要件

  1. 通所介護事業所と同一建物(※)に居住する者又は同一建物から当該事業所に通い通所系サービスを利用する者であること。
    (※)構造上又は外見上、一体的な構築物を指すものであり、具体的には当該建物の一階部分にある場合や渡り廊下で繋がっている場合(当該建物の管理、運営法人が異なる場合も該当)。
    同一敷地内にある別棟の構築物や道路を挟んで隣接する場合は該当しない。
  2. 傷病等により、一時的に送迎が必要な利用者、その他やむを得ず送迎が必要であると認められる利用者に対して送迎を行う場合は、減算を行わないこと。

(注)介護予防通所介護、(介護予防)通所リハビリテーション及び(介護予防)認知症対応型通所介護において同様の減算を創設する。


介護予防通所介護

報酬体系

改正前

介護予防通所介護費

  1. 要支援1      2,226単位/月
  2. 要支援2      4,353単位/月

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改正後

介護予防通所介護費

  1. 要支援1      2,099単位/月
  2. 要支援2      4,205単位/月


事業所評価加算(新規)

改正前

100単位/月

※算定要件
別に厚生労働大臣が定める基準(注)に適合しているものとして都道府県知事に届け出た指定介護予防通所介護事業所において、評価対象期間(別に厚生労働大臣が定める期間をいう。)の満了日の属する年度の次の年度内に限り1月につき所定単位数を加算する。

(注)厚生労働大臣が定める基準

  1. 定員利用・人員基準に適合しているものとして都道府県知事に届け出て運動機能向上サービス、栄養改善サービス又は口腔機能向上サービスを行っていること。
  2. 評価対象期間における当該指定介護予防通所介護事業所の利用実人数が10名以上であること。
  3. 要支援度の維持者数 + 改善者数 ×2 / 評価対象期間内に運動器機能向上サービス、栄養改善サービス又は口腔機能向上サービスを3月以上利用し、その後に更新・変更認定を受けた者の数が70%以上

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生活機能の維持・改善に効果の高いサービス提供を推進する観点から、事業所評価加算の評価及び算定要件を見直す。
改正後

120単位/月

※算定要件(変更点のみ)
評価対象期間において、介護予防通所介護を利用した実人員数のうち、60%以上に選択的サービスを実施していること。


アクティビティ実施加算(廃止)

改正前

53単位/月

※算定要件
利用者に対して、当該利用者の心身の状況、希望及びその置かれている環境を踏まえて作成された計画に基づき、アクティビティを行った場合は、1月につき所定単位数を加算する。

矢印画像
改正後

廃止


生活機能向上グループ活動加算(新規)

利用者の生活機能の向上を目的として共通の課題を有する複数の利用者からなるグループに対して実施される日常生活上の支援のための活動(以下「生活機能向上グループ活動サービス」という。)を行った場合に所定単位数を加算する。

100単位/月

※算定要件

  1. 機能訓練指導員等の介護予防通所介護従業者が共同して、利用者に対し生活機能の改善等の目的を設定した介護予防通所介護計画を作成していること。
  2. 複数の種類の生活機能向上グループ活動サービスを準備し、利用者の心身の状況に応じた生活機能向上グループ活動サービスが実施されていること。(少人数のグループを構成して実施する。)
  3. 生活機能向上グループ活動サービスを1週間に1回以上実施していること。


選択的サービス複数実施加算(新規)

生活機能の向上に資する選択的サービス(運動器機能向上サービス、栄養改善サービス又は口腔機能向上サービス)のうち、複数のプログラムを組み合わせて実施した場合の評価を創設する。

選択的サービス複数実施加算(Ⅰ)   480単位/月
選択的サービス複数実施加算(Ⅱ)   700単位/月

※算定要件

  1. 利用者が介護予防通所介護の提供を受ける日に、必ずいずれかの選択的サービスを実施していること。
  2. 1月につき、いずれかの選択的サービスを複数回実施していること。
  3. なお、選択的サービス複数実施加算(Ⅰ)については、選択的サービスのうち2種類、選択的サービス複数実施加算(Ⅱ)については、3種類実施した場合に算定する。


平成24年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)


平成24年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.2)


                         

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