介護報酬の請求の請求の流れ
契約
契約書等
介護保険法第二条第3項において,介護サービスは「被保険者の選択に基づき」行われるとされました。
ここに民法上の契約の概念が発生します。
介護保険法施行以前に於いては,行政が介護サービスの必要性を判断して措置を行い、受ける側にサービスの選択の余地はありませんでした。
介護保険制度下では、利用者と介護サービス事業者とが直接契約することになりました。
利用者自身がサービスの種類・内容や提供事業者などを選択することができるようになったのです。
そのためには、事前にサービス内容や条件等に関する情報が適切に利用者および家族に提供される必要があります。
契約とは文書のみならず口頭でも成立するものですが、利用者及び事業者双方の保護を図る観点から、文書による契約が好ましいのは言うまでもありませんし、保険者による実地指導時にも契約書の提示が求められます。
新規利用においては、介護事業所と利用者との間でサービス提供に係る契約を交わした後に、サービスの提供を開始します。
契約時に交わす書類は、契約書、重要事項説明書、個人情報利用の同意書の3点セットです。
この中で実地指導での指摘が急増しているのが個人情報利用の同意書です。
個人情報利用の同意書はサービス担当者会議に於いて、業務上知り得た個人情報を利用しても良いという同意書ですが、サービス担当者会議では利用者本人の個人情報に留まらず家族の個人情報も利用しなければならず、その旨も同意書に記載してあります。
実地指導においては、この部分に触れて「利用者本人の同意だけではなく、家族の代表者の同意も必要」との指導が行われている地域が増えています。
なお、介護事業者と利用者が取り交わす契約書は原則として民法上の請負契約に該当せず、印紙税の課税文書には該当しませんので収入印紙の貼り付けの必要はありません。
領収証に関しては、売上代金に係る金銭又は有価証券の受領書に該当しますので受取金額が3万円を超えた場合は印紙の貼り付けが必要です。
但し、
- 地方公共団体そのものが作成者であるもの
- 記載された受取金額が3万円未満のもの
- 営業に関しない公益法人、NP0法人等
は領収証の印紙は非課税とされていて印紙の貼り付けは不要です。
重要事項説明書
契約書とともに重要な書類に重要事項説明書があります。
厚生省令37号等の規定で、介護サービスの提供の開始に際し、あらかじめ、利用申込者又はその家族に対し、運営規程の概要、勤務の体制その他の利用申込者のサービスの選択に資すると認められる重要事項を記した文書を交付して説明を行い、サービス提供の開始について利用申込者の同意を得なけしればならないと定められていて、これに従わない場合は運営基準違反となります。
重要事項説明書は、新規サービス契約時のみならず、新しく加算を算定する場合、介護報酬が改定になり利用者が支払う1割負担分などの金額が変わる場合に、その都度において重要事項説明書の説明・同意を行うことが求められます。
3年に一度の介護報酬の改定時などでは、現在の利用者全員分の重要事項説明書を新たに作りなおして同意をもらい直すのではなく、4月から改定となる場合は、一 ヶ月前である3月中に利用料金の変更部分に関する同意書を作成して同意を得る方法が一般的です。
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