大阪府 平成23年度 介護保険事業所に対する主な指導事項

通所系サービス事業者共通事項

設備に関する事項

事故の未然防止について

○事務所内の掲示に押しピン、小さなマグネット等を使用している。

(ポイント)
押しピン、小さなマグネット等は誤飲等、事故の恐れがあるので、使用しないようにすること。


運営に関する事項

利用定員の遵守について

○利用定員を超えてサービス提供を行っている。

(ポイント)
・ 平成18年度より定員超過による減算の取り扱いについて、月単位(月平均)とすることとしている。(ただし、災害その他のやむを得ない事情がある場合を除く)
・ 減算の対象とならない場合でも、1日単位で基準を守ることに留意すること。
・ 障がい福祉サービスの生活介護等の基準該当サービスの利用者、市町村から受託した特定高齢者の利用者及び特定施設入居者生活介護の外部サービス利用者も含めて定員を守ることに留意すること。


非常災害時の対応について

○非常災害時の対応方法についての具体的な対応計画が策定されていない。
○定期的に避難訓練等が実施されていない。

事業所外におけるサービスの提供について

○必要性がない事業所外でのサービスを行っている。

(ポイント)
通所サービスについては、基本的に事業所内において行われるものであるが、例外的に事業所外でのサービス提供については、①あらかじめ通所介護計画にその必要性及び具体的なサービスの内容が位置づけられており、②効果的な機能訓練等のサービスが提供できる場
合に限り算定の対象とすること。
参考:基準省令の解釈通知「指定居宅サービス等及び指定介護予防サービス等に関する基準について」(平成11年9 月17 日老企第25号)第3の六 3(2)④


介護報酬等の請求に関する事項

介護報酬等の不適切な事例等について

○届け出た介護給付費単位(事業所規模別)が誤っている。(前年度の1月当たり平均利用延人員(要支援を含む。)の実績の計算が誤っている。)

※事業所規模による区分の取扱い
① 事業所規模による区分については、前年度の1月当たりの平均利用延人員数により算定する。
② 当該平均利用延人員数の計算に当たっては、当該指定通所介護事業所に係る指定通所介護事業者が指定介護予防通所介護事業者の指定を併せて受け一体的に事業を実施している場合は、当該指定介護予防通所介護事業所における前年度の1 月あたりの平均利用延人員数を含む。したがって、仮に指定通所介護事業者が指定介護予防通所介護事業者の指定を併せて受けている場合であっても、事業が一体的に実施されず、実態として両事業が分離されて実施されている場合には、当該平均利用延人員数には当該指定介護予防通所介護事業所の平均利用延人員数は含めない。
③ 平均利用延人員数の計算に当たっては、3時間以上4時間未満の報酬を算定している利用者(2時間以上3時間未満の報酬を算定している利用者を含む。)については、利用者数に2分の1を乗じて得た数とし、4時間以上6時間未満の報酬を算定している利用者については利用者数に4分の3を乗じて得た数とする。
④ 平均利用延人員数に含むこととされた介護予防通所介護事業所の利用者の計算に当っては、介護予防通所介護の利用時間が4時間未満の利用者については、利用者数に2分の1を乗じて得た数とし、利用時間が4時間以上6時間未満の利用者については、利用者数に4分の3を乗じて得た数とする。ただし、介護予防通所介護事業所の利用者
数については、同時にサービスの提供を受けた者の最大数を営業日ごとに加えていく方法によって計算しても差し支えない。
⑤ 前年度の実績が6月に満たない事業者(新たに事業を開始し、又は再開した事業者をむ)又は前年度から定員を概ね25%以上変更して事業を実施しようとする事業者においては、当該年度に係る平均利用延人員数については、便宜上、都道府県知事に届け出た当該事業所の利用定員の90%に予定される1月当たりの営業日数を乗じて得た数と
する。
⑥ 毎年度3月31日時点において、事業を実施している事業者であって、4月以降も引き続き事業を実施するものの当該年度の通所介護費の算定に当たっては、前年度の平均利用延人員数は、前年度において通所介護費を算定している月(3月を除く。)の1月当たりの平均利用延人員数とする。
※ 通所リハビリテーションの平均利用延人員の取扱いについては、通所介護と同様であるので、通所介護の取扱いを参照のこと。
なお、1時間以上2時間未満の報酬を算定している利用者については、利用者数に4分の1を乗じて得た数を用いるものとすること。
参考:平均利用延人数の具体的な算定方法は、居宅事業者課ホームページ「様式ライブラリー」


○事業所規模算定区分について、毎年確認すべきところ、これが行われていない。
○誤った事業所規模による算定を行っていた。(その場合は、事業所の利用者全員について過誤申請により自主返還を行うこと。)

(ポイント)
事業所規模の算定については、毎年4月から2月までの利用者数について確認し、現在届け出ている事業所規模から変更となる場合は、大阪府に届け出ること。


所要時間の算定について

○基本的には通所介護のサービスとして認められないサービス(理美容等)のサービス等に要した時間を、所要時間から除いていない。
○通所サービス中に医療機関を受診した場合又は医療保険の適用の有無にかかわらず、柔道整復師等の施術を受けた場合において、受診中及び受診後の時間についても報酬を算定している。
○サービス提供時間について、利用者の心身の状況等から当初の通所介護計画に位置づけられた時間よりも短縮した場合に、変更後の所要時間に応じた算定区分で所定単位数を算定していない。

(ポイント)
・ 通所サービス中に医療機関等を受診した場合は、サービスを中止又は中断した時点で通所サービスは終了したとみなされる。
・ 利用者の心身の状況等から当初の通所介護計画に位置づけられた時間よりも短縮した場合は、当初の通所介護計画を変更し、変更後の所要時間に応じた算定区分で所定単位数を算定しなければならない。
・ 当日の利用者の心身の状況から1~2時間で中止した場合は、当初の通所サービス計画に位置づけられた時間よりも大きく短縮しているため、当日のキャンセルとして通所サービスは算定できない。
・ 2時間以上3時間未満の通所介護のサービスは、心身の状況から長時間のサービス利用が困難である者、病後等で短時間の利用から始めて長時間利用に結びつけていく必要がある者など、利用者側のやむを得ない事情により長時間のサービスが困難な者である場合にのみ算定すること。なお、2時間以上3時間未満の通所介護であっても、通所介護の本来の目的に照らし、単に入浴サービスのみといった利用は適当ではなく、利用者の日常生活動作能力などの向上のため、日常生活を通じた機能訓練等が実施されるべきものである。
参考:介護報酬に係るQ&Aについて(平成15年5月30日)厚生労働省 通所サービス(共通事項)Q2~3


各種加算の算定について

○入浴介助加算について、利用者の事情により入浴を実施しなかった場合であっても、加算を算定している。

(ポイント)
入浴介助加算は、通所介護計画上、入浴の提供が位置づけられている場合に、入浴を実施しなかった場合については、加算を算定できない。
なお、全身を対象としたシャワー浴は算定の対象となるが、部分浴や清拭の場合は算定の対象とならない。


○各種個別加算(個別機能訓練、栄養改善、口腔機能向上、リハビリテーションマネジメント等)について、当該加算に係る利用者ごとの計画が作成されていない若しくは計画に相当する内容を各サービス計画書に記載していない、又は実施計画の内容を、利用者又はその家
族に説明し、同意を得ていない。

(ポイント)
各種個別加算の計画を作成するに当たっては、居宅サービス計画に位置づけられているニーズや目的を達成するための最適な計画とする必要がある。
また、居宅サービス計画に各種個別加算の必要性が記載されていない場合は、居宅介護支援事業所等と連携し、その必要性を居宅サービス計画上、明確にする必要がある。
なお、各種個別加算の計画に相当する内容を各サービス計画の中(通所介護計画等)に記載する場合はその記載をもって代替することができる。


○各種個別加算について、当該加算内容に関するサービスの実施状況(実施時間、サービス内容、サービス実施時の利用者の状況、担当者等)の記録がない。
○栄養改善加算について、算定要件を満たしていない。

(算定要件のポイント)
① 利用者ごとに行われるケアマネジメントの一環として行われること。
② 管理栄養士を1名以上配置して行うものであること。
③ 利用者の栄養状態を利用開始時に把握し、管理栄養士、看護職員、介護職員、生活相談員その他職種の者が共同して、利用者ごとの摂食・嚥下機能及び食形成にも配慮した栄養ケア計画を作成していること。
④ 利用者ごとの栄養ケア計画に従い管理栄養士等が栄養改善サービスを行っているとともに、利用者の栄養状態を定期的に記録していること。
⑤ 利用者ごとの栄養ケア計画の進捗状況を定期的に評価すること。
⑥ 栄養改善加算を算定できる利用者は、次のイからホのいずれかに該当する者であって栄養改善サービスの提供が必要と認められる者
イ BMIが18.5 未満である者
ロ 1~6 ヶ月で3%以上の体重の減少が認められる者又は「地域支援事業の実施について」(平成18年6月9日老発第0609001号厚生労働省老健局長通知)に規定する基本チェックリストのNo.11 の項目が「1」に該当する者
ハ 血清アルブミン値が3.5g/dl以下である者
ニ 食事摂取量が不良(75%以下)である者
ホ その他低栄養状態にある又はそのおそれがあると認められる者
なお、次のような問題を有する者については、上記イからホのいずれかの項目に該当するかどうか、適宜確認されたい。
・ 口腔及び摂食・嚥下機能の問題(基本チェックリストの口腔機能に関連する(13)(14)、(15)のいずれかの項目において「1」に該当する者などを含む。
・ 生活機能の低下の問題
・ 褥瘡に関する問題
・ 食欲の低下の問題
・ 閉じこもりの問題(基本チェックリストの閉じこもりに関連する(16)、(17)のいずれかの項目において「1」に該当する者などを含む。)
・ 認知症の問題(基本チェックリストの認知症に関連する(18)、(19)、(20)のいずれかの項目において「1」に該当する者などを含む。)
・ うつの問題(基本チェックリストのうつに関連する(21)から(25)のいずれかの項目において2 項目以上「1」に該当する者などを含む。)
【留意事項】
※ 定員超過又は人員欠如減算の期間中は算定できない。


○口腔機能向上加算について、算定要件を満たしていない。

(算定要件のポイント)
① 利用者ごとに行われるケアマネジメントの一環として行われること。
② 言語聴覚士、歯科衛生士又は看護職員を1 名以上配置して行うものであること。
③ 利用者の口腔機能を利用開始時に把握し、言語聴覚士、歯科衛生士、看護職員、介護職員、生活相談員その他職種の者が共同して、利用者ごとの口腔機能改善管理指導計画を作成していること。
④ 利用者ごとの口腔機能改善管理指導計画に従い言語聴覚士、歯科衛生士又は看護職員が口腔機能向上サービスを行っているとともに、利用者の口腔機能を定期的に記録していること。
⑤ 利用者ごとの口腔機能改善管理指導計画の進捗状況を定期的に評価すること。
⑥ 口腔機能向上加算を算定できる利用者は、次のイからハのいずれかに該当する者であって、口腔機能向上サービスの提供が必要と認められる者
イ 認定調査票における嚥下、食事摂取、口腔清潔の3 項目のいずれかの項目において「1」以外に該当する者
ロ 基本チェックリストの口腔機能に関連する(13)、(14)、(15)の3項目のうち、2項目以上が「1」に該当する者
ハ その他口腔機能の低下している者又はそのおそれのある者
⑦ 利用者の口腔の状態によっては、医療における対応を要する場合も想定されることもあることから、必要に応じて、介護支援専門員を通して主治医又は主治の歯科医師への情報提供、受診勧奨などの適切な措置を講じることとする。なお、歯科医療を受診している
場合であって、次のイ又はロのいずれかに該当する場合にあっては、加算は算定できない。
イ 医療保険において歯科診療報酬点数表に掲げる摂食機能療法を算定している場合
ロ 医療保険において歯科診療報酬点数表に掲げる摂食機能療法を算定していない場合であって、介護保険の口腔機能向上サービスとして「摂食・嚥下機能に関する訓練の指導若しくは実施」を行っていない場合
【留意事項】
※ 定員超過又は人員欠如減算の期間中は算定できない。


○口腔機能向上加算において、口腔機能改善管理指導計画を作成の際、主治の医師又は歯科医師の指示や指導を受けたことが明確でない。(通所リハビリテーション・介護予防通所リハビリテーションは必須、通所介護・介護予防通所介護は、必要に応じて指示・指導を
受けること。)
○運動器機能向上加算(介護予防)について、算定要件を満たしていない。

(算定要件のポイント)
① 理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護職員、柔道整復師又はあん摩マッサージ指圧師を1名以上配置して行うこと。
② 利用者ごとに看護職員等による運動器機能向上サービス実施にあたってのリスク評価体力測定等を実施し、サービス提供に際して考慮すべきリスク、利用者のニーズ及び運動器の機能の状況を、利用開始時に把握すること。
③ 利用者のニーズを実現するための概ね3月程度で達成可能な目標(長期目標)及び長期目標を達成するための概ね1月程度で達成可能な目標(短期目標)を設定すること。長期目標及び短期目標は、介護予防サービス計画と整合が図れたものとすること。
④ 当該利用者ごとに、実施する運動の種類、実施期間、実施頻度、1回当たりの実施時間、実施形態等を記載した運動器機能向上計画を作成すること。その際、実施期間については、運動の種類によって異なるものの、概ね3月間程度とすること。また、利用者に説明し、その同意を得ること。
⑤ 利用者の短期目標に応じて、概ね1月間毎に利用者の当該短期目標の達成度と客観的な運動器の機能の状況についてモニタリングを行い、必要に応じて運動器機能向上計画の修正を行うこと。
⑥ 運動器機能向上計画に定める実施期間終了後に、利用者毎に、長期目標の達成度及び運動器の機能の状況について、事後アセスメントを実施し、その結果を当該利用者に係る介護予防支援事業者に報告すること。
⑦ 運動器機能向上サービスの継続には、上記報告も踏まえた介護予防支援事業者による介護予防ケアマネジメントの結果、運動器機能向上サービスの継続が必要であるとの判断がなされる必要がある。


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