平成23年9月号 社会保険料を安くする

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                      第1回(平成23年9月号)

社会保険料を安くする方法 ①(退職日は月末の『前日』にする)

  1. スキーム ⇒ 喪失日が退職日の『翌日』である事を利用する(退職日が末日かそれ以外で1ヶ月分の差が出ます)
  2. 具体例 ⇒ 月給30万円の場合は1ヶ月分(労使合計で約8万円です)削減できます。
  3. 注意点 ⇒ 個人の負担額は増える可能性があります。



社会保険料を安くする方法 ②(昇給は7月にする・4月~6月を避け)

  1. スキーム ⇒ 定時改訂が4月~6月の給与を基礎とする事を利用する(随時改訂と違い、『変動』給でも反映されます)
  2. 具体例 ⇒ 月給30万円から32万円に昇給した場合は、労使合計で月約5,000円(年間約6万円)削減できます。
  3. 注意点 ⇒ 4月~6月を避けても、『固定』給が2等級以上増減すれば、随時改訂が必要になります。



社会保険料を安くする方法 ③(被保険者になれない人を活用する)

  1. スキーム ⇒ 一般労働者の労働時間の3/4未満の人は原則として健康保険等に加入できない事を利用する
  2. 具体例 ⇒ 正社員(月給30万円)でなく、パート(労働時間5h)2人採用した場合は労使合計で年間約100万円削減できます。
  3. 注意点 ⇒ 被扶養者に該当するかは別の基準(将来収入が130万円未満など)で判定されます。

社会保険料を安くする方法 ④(賞与を分割支給する)

  1. スキーム ⇒ 賞与には単純に料率を乗じた社会保険料が発生する事を利用する
  2. 具体例 ⇒ 年間賞与36万円を中止し、月給29万円に3万円を上乗せ支給した場合は労使合計で年間約3万円削減できます。
  3. 注意点 ⇒ 当初の資金繰りに不利な影響が出ます。 また、賞与の在職(=退職回避)インセンティブ効果が薄れます。

なお、月給の金額により、効果が増減しますので事前に削減額の検算をお奨めします。


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社会保険料を安くする方法 ⑤(賞与や給与の一部を退職補填に回す)

  1. スキーム ⇒ 社会保険料の算定対象が一定の給与等に限定されている事を利用する。
  2. 具体例 ⇒ 賞与45万円の内、15万円を退職金原資(中退共など)にした場合は、労使合計で年間約4万円削減できます。
  3. 注意点 ⇒ 退職金支給の方が支給が遅くなるため、モチベーションが下がる可能性があります。

なお、中退共などは助成制度があり、会社にとっては有利です。

社会保険料を安くする方法 ⑥(下請け・業務委託を活用する)

  1. スキーム ⇒ 会社労働者でない人(個人事業主など)は社会保険に加入できない事を利用する。
  2. 具体例 ⇒ 従業員である月給50万円の職人を退職させ、外注に切り替えた場合は労使合計で年間約170万円削減できます。
  3. 注意点 ⇒ 雇用契約ではない事を明確に示す必要があります(税務上の論点) ⇔ 請負契約・委任契約

なお、消費税控除も可能になり、税金上も有利になる可能性があります。

社会保険料を安くする方法 ⑦(高年齢者を活用する)

  1. スキーム ⇒ 4月1日時点で64歳以上の人は雇用保険料が免除になる事を利用する。
  2. 具体例 ⇒ 64歳以上の従業員(月給15万円)をパートで採用した場合は、労使合計で年間約3万円削減できます。
  3. 注意点 ⇒ 仕事内容を考慮する必要があります。 なお、雇用による助成金支給の可能性があります。



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