訪問介護の同一建物1割減算ー減算額を現状の 1.6 倍に可能

こんにちは。介護専門税理士の松本昌晴です。

株式会社 日本総合研究所の調査研究より

平成25年5月31日に開催された「第2回社会保障審議会介護給付費分科会介護報酬改定検証・研究委員会」において報告された資料の中に、株式会社 日本総合研究所の「集合住宅における訪問系サービス等の評価のあり方に関する調査研究」があります。

この報告書の中に興味深い報告がなされています。

それは、平成24年度の介護報酬改定で創設された訪問介護の同一建物減算について、減算額を現状の 1.6 倍にすることが可能であるする報告です。

次回介護報酬改定に影響を与える可能性があります。

下表をご覧ください。

減算対象事業所の減算額を1.6 倍にした場合、収支比率の平均値は88.3%となり非減算対象事業所の平成24年10月の88.7%とほぼ同率となります。

減算額を増加させた場合の収支比率

なお同報告書は「今回の調査結果は現在の減算の妥当性について一定の示唆を得ることができたが、これをただちに次期法改正および介護報酬改定における現在の減算制度の見直しの根拠とするには、必ずしも十分でない。」としています。

また、「減算制度の見直しの根拠資料となる、より具体的な検証結果を得るためには、「収入に占める総移動コストの比率の水準のあり方の検討」と「地域区分別のコスト分析」の課題の解決に取り組むことが必要であると締めくくっています。

(参考)訪問サービス:同一建物居住者にかかる事業所に対する減算

【改正の概要】
同一建物居住者にかかる事業所に対する減算

【減算要件】

  1. 利用者が居住する住宅と同一の建物(※)に所在する事業所であって、当該住宅に居住する利用者に対して、前年度の月平均で30人以上にサービス提供を行っていること。
  2. 当該住宅に居住する利用者に行ったサービスに対してのみ減算を行うこと。

(※)養護老人ホーム、軽費老人ホーム、有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅、旧高齢者専用賃貸住宅



(注)

  1. 同一建物の定義は、構造上・外見上・一体的な建物であり、渡り廊下でつながっている場合を含みます。
  2. 同一敷地内であっても完全な別棟や道路を挟んでいる場合は非該当となります。
  3. 訪問系の減算要件である、前年度1月当りの利用実績は、前年4月~当年2月の11月での営業月での実績によります。事業開始年度は該当せず3月開業法人は翌年度は該当しません。但し、実績が1月である場合も該当します。
    毎月の実利用者数÷営業月数>30人 → 減算に該当



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