特養の食費・居住費の負担軽減の具体案

こんにちは。大阪の介護専門税理士の松本昌晴です。

特別養護老人ホームの入居者について、いま次の3つが議論されています。

1、特別養護老人ホームの入所基準を要介護3以上に

特別養護老人ホームの入所基準は、要介護度3以上の中重度者とし、要介護度2以下の軽度者は支給対象から外されます。

なお、新しい入所基準は2015年度から新たに入所する人を対象とする方針で、既に入所している軽度者には影響を与えないよう配慮されます。

2、介護保険の利用者負担2割に

特別養護老人ホームの入居者に限ったことではありませんが、一定以上の所得がある人について、現在1割となっている介護保険の利用者負担を2割に見直す。

一定以上の所得のある人の範囲は、

  1. 夫婦世帯で年収359万円(単身者280万円)以上
  2. 同369万円(同290万円)以上
    のどちらかにするか議論されています。

3、食費や部屋代の補助対象者を見直す

特別養護老人ホームや老人保険施設などの介護保険施設に入居する低所得者の食費や部屋代の負担軽減制度が見直されます。

所得の低い人でも、預貯金などが一定額以上の場合は、負担軽減制度の対象外にすることが検討されています。

今日のブログでは、上記3つのうち3番目について具体案が明らかになってきましたので説明したいと思います。

現状の食費や部屋代の負担軽減制度

負担軽減の対象者は、次の第1段階~第3段階に該当する人です。

負担軽減の対象者

所得に応じて負担限度額が設定されており、標準的な費用の額(基準費用額)と負担限度額との差額が補助されます。

負担限度額

特別養護老人ホームの場合、

  1. 相部屋は2.2万円~4.2万円
  2. 個室は4.2万円~6.7万円

が補助されます。


具体案

食費や部屋代の負担軽減の対象者は、次の3つの条件をすべて満たす人です。

第1段階~第3段階に該当する人

第1段階・生活保護受給者
・市町村民税世帯非課税の老齢福祉年金受給者
第2段階・市町村民税世帯非課税であって、課税年金収入額+合計所得金額が80万円以下
第3段階・市町村民税世帯非課税であって、利用者負担第2段階該当者以外

プラス

預貯金・有価証券の条件

・夫婦で2,000万円未満
・単身で1,000万円未満

プラス

不動産の条件

固定資産税評価額が2,000万円未満


負担軽減の制度を受けたい人は、預金通帳や有価証券などをコピーして自己申告します。

虚偽の申告をすると、補助を受けた金額の3倍返しとなります。

なお、不動産には入居者の子供が住んでいる物件は含まれません。

また、不動産が2,000万円以上で対象外になった人に対しては、不動産を担保として市町村が貸し出す制度が創設され、食費や部屋代にあてることができます。


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