認知証高齢者に対する在宅サービスはビジネスチャンス

こんにちは。大阪の介護専門税理士の松本昌晴です。

認知症高齢者数については、平成22年で約280万人、平成37年では約470万人に達すると見込まれます。

これは65歳以上の約1割にあたり、要介護・要支援認定を受けている65歳以上の約6割となっています。

このような認知症高齢者の増加に対して、厚生労働省の社会保障審議会介護保険部会(平成25年12月20日)は、「介護保険制度の見直しに関する意見」において認知症施策の推進を強く打ち出しており、2015年の介護保険制度改正に反映されるものと考えられます。

たとえば、2015年の介護報酬の改定で、認知症高齢者に対するサービスの提供が評価される可能性があります。

認知症初期集中支援チームと認知症地域支援推進員

「介護保険制度の見直しに関する意見」を読むと、「認知症初期集中支援チーム」と「認知症地域支援推進員」の設置が検討されています。

「認知症初期集中支援チーム」は、複数の専門職が認知症が疑われる人、認知症の人とその家族を訪問し、アセスメントや家族支援などの初期の支援を包括的・集中的に行い、自立生活のサポートを行います。

「認知症地域支援推進員」は、認知症の人ができる限り住み慣れた良い環境で暮らし続けることができるよう、地域の実情に応じて医療機関、介護サービス事業所や地域の支援機関をつなぐ連携支援や認知症の人やその家族を支援する相談業務等を行います。

認知症初期集中支援チームと認知症地域支援推進員について

認知症初期集中支援チームの主な業務の流れは、次のとおりですが、在宅サービス事業者、特に訪問介護事業者にとってビジネスチャンスになる可能性があります。

  1. 訪問支援対象者の把握、
  2. 情報収集(本人の生活情報や家族の状況など)、
  3. アセスメント(認知機能障害、生活機能障害、行動・心理症状、家族の介護負担度、身体の様子のチェック)、
  4. 初回訪問時の支援(認知症への理解、専門的医療機関等の利用の説明、介護保険サービス利用の説明、本人・家族への心理的サポート)、
  5. チーム員会議の開催(アセスメント内容の確認、支援の方針・内容・頻度等の検討)、
  6. 初期集中支援の実施(専門的医療機関等への受診勧奨、本人への助言、身体を整えるケア、生活環境の改善など)、
  7. 引き継ぎ後のモニタリング

大手介護事業所の動き

大手介護事業所は、社員の認知症についての知識を深めることによってサービスの質を高め、競争に打ち勝とうとしています。

前日のブログで取り上げました規模の利益が大手介護事業所にはあり、職員の研修を行うだけの余裕があります。

その結果、さらに他の事業所とは差が開き規模の拡大につながります。

ニチイ学館

訪問介護やデイサービスなどの在宅系サービスの社員約3万人に認知症の研修を実施する予定。

早期に認知症の兆しを発見し、本人の症状や家族の介護負担の軽減につなげる。

セントケアHD

認知症治療が専門の京浜病院と連携して、認知症の高齢者の表情や言動を3つに分類して、それぞれの対処法を使い分ける。

来年1月にグループホームの職員が、表情などを読み取れるようにする。




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