「20分未満の身体介護」の現状について~その2~

こんにちは。大阪の介護専門税理士の松本昌晴です。

昨日のブログに続き今日も、「20分未満の身体介護」の現状と、その現状が今回の介護報酬の改定に与える影響につい解説したいと思います。

「20分未満の身体介護」利用者の居住

次の円グラフをご覧ください。

【「20分未満の身体介護」利用者の住居の形】
利用者の住居の形
出典:第111回(平成26年10月22日)の社会保障審議会介護給付費分科会

「20分未満の身体介護」の利用者の住居は、

  1. 「外部サービス利用型(有料老人ホーム等)」が46.5%、
  2. 「サービス付高齢者向け住宅」が22.6%
    であり、高齢者住宅が全体の約7割と高い割合を占めています。

いかに高齢者住宅で「20分未満の身体介護」が、利用されているかが分かります。

そして、利用者1人あたりの1週間の訪問回数は、サービス付き高齢者等で11.21回で、持家の6.93回を大きく上回っています。

【利用者1人あたり訪問回数(1週間)】
利用者1人あたり訪問回数
出典:第111回(平成26年10月22日)の社会保障審議会介護給付費分科会

また、「20分未満の身体介護」の時間帯別利用状況を見ると、早朝、夜間、深夜の時間帯のみ利用している者が約6割と多くを占めています。
【「20分未満の身体介護」の時間帯別利用パターン)】
時間帯別利用パターン

以上から、高齢者住宅において「20分未満の身体介護」が夜間、深夜、早朝に頻繁に利用されています。

高齢者住宅の問題点と介護報酬改定

高齢者住宅の入居者全員が、併設の介護事業所を利用しているというようなケースがみられます。

当然、役所に目を付けられます。

役所は、このような場合に介護保険を制限したいと考えています。

高齢者住宅に併設されている介護事業所のケアマネさんのケアプランも点検強化されます。

高齢者住宅の入居者は軽度の方が多く、ほとんど自分で動けるから自分で起きれるし寝れます。

就寝介助は寝たきりの人をパジャマに着替えさせる手伝いで、起床介助は寝たきりの人をパジャマから普段着に着替えさせる手伝いです。

ところが高齢者住宅で、要介護1や2の軽度者の方に起床・就寝介助が必要がないのに区分支給限度額を使い切るために利用しているケースがあります。

このような実態があるため、要介護3以上の方でないと起床・就寝介助は必要ないとして、20分未満の身体介護を要介護3以上に限定される予定です。

さらに、要介護3以上の方の20分未満の身体介護であっても、同一建物の居住者へのサービス提供による報酬の減算割合を現行10%カットから引き上げて、例えば13%カットなどとされます。

高齢者住宅の低価格モデルは、破綻すると言われています。

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松本昌晴税理士事務所
大阪の税理士
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