今後の介護事業所経営の5つのキーワード~事業規模の拡大~
こんにちは。大阪の介護専門税理士の松本昌晴です。
介護事業の経営者が取り組むべき項目として、次の5つのキーワードを取り上げました。
今回は、「事業規模の拡大」について述べたいと思います。
今後の介護事業所経営の5つのキーワード
事業規模拡大が求められる理由
これからの介護事業者は、規模拡大をしていかないと難しいです。
小規模デイサービスは、報酬が大きく下げられます。
また、小規模だと今回の制度改定で地域密着型に移されます。
そうなると今後、許認可が取りにくくなります。
商圏エリアも市町村単位なので、隣りの市町村から新規の利用者の獲得ができません。
商圏分析が縮小されます。
非常に規模が小さいと、やりにくくなります。
事業規模が小さいと、固定費の負担が大きくなります。
そうすると、利益を出すのが難しくなります。
経営実態調査からもわかるように、介護事業のビジネスモデルはスケールメリットです。
このように、事業規模の拡大を進めていかないと、厳しいものがあります。
厚生労働省の方向性も事業規模の拡大
厚生労働省も、1事業所あたりの事業規模を大きくしていく方向性を打ち出しています。
今回の給付費分科会の議論の中でも、特に訪問看護でストレートに事業規模を大きくしていくと明示されています。
厚生労働省が、事業規模の拡大の方向性にあるのは理由があります。
いま、介護職員処遇改善加算で介護職員の給料を上げていくことを政策的にやっています。
一定規模以上の介護事業者は、ある程度自前で処遇改善できるし、研修等のお金も出すことができます。
いま一番、処遇改善加算で手間がかかっているのは、大部分の中小零細の事業所です。
言い換えると、いま小規模の事業所を一定規模以上に引き上げることで、厚生労働省は処遇改善加算をやめることができます。
今後は、統合、合併などにより事業規模を拡大する選択肢もあります。
ある程度、力のある事業所は、例えばグループホームをやりたくても許認可が出にくいので、M&A等でグループホームを買い取るといったことも今後、活発に行うことでしょう。
これからの介護事業経営のキーワードとして経営者は、事業規模の拡大を意識しなければなりません。
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