訪問介護と通所介護の採算~日本政策金融公庫のアンケート結果~
こんにちは。大阪の介護専門税理士の松本昌晴です。
日本政策金融公庫総合研究所は、平成28年1月26日に「訪問・通所介護事業者の経営実態」を公表しました。
その中から「訪問介護と通所介護の採算」について、ご紹介します。
出典:日本政策金融公庫総合研究所「訪問・通所介護事業者の経営実態」
訪問介護の採算
上のグラフの左側が、訪問介護の採算です。
全体をみると、「黒字」企業の割合が52.4%、「赤字」企業の割合が47.6%となっています。
従業者規模別にみても、この比率はほとんど変わらませんが、「4人以下」の企業だけは「赤字」の企業が56.9%と過半を占めています。
以上の結果から訪問介護は、規模のメリットが得にくいのかなと思います。
規模のメリットは、従業員が増えて規模が大きくなると利益が増える効果を言います。
次の通所介護とは、対照的です。
通所介護の採算
全体をみると、「黒字」の企業が57.3%と、訪問介護よりも多いです。
しかし、従業者規模別に「黒字」企業の割合をみると、「4人以下」が47.2%、「5~9人」が49.1%と、50%を下回っています。
逆に、「50人以上」では「黒字」の企業が67.2%を占めており、売上高と同様に規模間の差が大きいです。
通所介護は、明確に規模のメリットが表れています。
介護報酬は規模が大きいほど下がりますが、それ以上に規模のメリットがあることを証明しています。
この様に通所介護は、経営的には規模の拡大がテーマになってきます。