訪問介護と通所介護の収支差率は高いとして報酬改定で検討すべきと財務省は提言

こんにちは。大阪の介護専門税理士の松本昌晴です。

厚生労働省は、昨年12月に平成28年度介護事業経営概況調査結果を公表し、22の介護サービスについて収支差率(利益率)を明らかにしました。

財務省は、この調査結果を踏まえて次の表を作成しています。

この表を見ると、財務省の意図していることが読み取れます。

画像の説明

財務省の意図

介護報酬改定の議論が介護給付費分科会で議論される直前に、財務省は介護報酬改定に向けた論点を出して、検討する様に指示しています。

厚生労働省の表から財務省が加工した部分が、財務省が言いたいことです。

財務省が加工した部分は、次の通りです。

  1. 訪問介護、通所介護、認知症対応型通所介護、小規模多機能型居宅介護の4つのサービスについて黄色で塗りつぶし、収支差率を赤字で表示して強調している。
  2. 全産業の収支差率4.2%と中小企業3.6%を併記している。

4つのサービスのうち、認知症対応型通所介護と小規模多機能型居宅介護については、厚生労働省は伸ばしたいと考えているので、報酬を下げる可能性は少ないと思われます。

わざわざ、全産業の収支差率4.2%と中小企業3.6%を併記して、いかに訪問介護の収支差率5.5%と通所介護の収支差率6.3%が高いかを主張しています。

そして、訪問介護と通所介護については、財務省は次の様に明記し介護報酬を引き下げるように提言しています。

改定前後における介護サービス事業者の収⽀状況を⾒ると、多くの介護サービスで収⽀差率が低下しているものの、プラスを
維持しており、特に、訪問、通所などの在宅サービスの収⽀差率は⽐較的⾼⽔準にとどまっている。

訪問介護については、要介護1と2の生活援助について人員基準を緩和して基本報酬を下げる議論がなされるでしょうし、通所介護については機能訓練を算定していない事業所は報酬ダウンする議論がなされるでしょう。

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