大阪府内の有料とサ高住は、必要以上に在宅サービスの提供がなされていないか?

こんにちは。大阪の介護専門税理士の松本昌晴です。

財務省が示した介護報酬改定に向けた論点の中に、次の一文があります。

⼤阪府の調査を参考にしつつ、「サービス付き⾼齢者向け住宅」や「住宅型有料⽼⼈ホーム」といった⾼齢者向けの住まいを中⼼に、必要以上に在宅サービスの提供がなされていないか、平成30年度介護報酬改定に向けて実態調査を⾏った上で、給付の適正化に向けた介護報酬上の対応を検討すべき。

そこで大阪府の実態について、大阪府高齢者保健福祉計画推進審議会専門部会報告書「大阪府における介護施策の現状と課題、対応の方向性について」(平成28年12月16日)の資料から説明します。

大阪府の高齢者の「住まい」において提供されている介護サービスの実態

大阪府の高齢者の「住まい」において提供されている介護サービスの実態は、

  1. わずか6年で有料老人ホーム、サービス付き高齢者住宅は3倍超になり、「有料・サ高住」 59,215戸 > 「特養など介護3施設」 53,166床となっています。
  2. 区分支給限度基準額に対し、住宅型有料で90.7%、サ高住(指定なし)で86.0%ものサービス利用となっています。
  3. 要介護3以上では、特養以上に費用がかかっています。

高齢者向け住まい・施設の現状

有料老人ホームとサービス付き高齢者向け住宅の合計定員数は急激に伸びており、介護3施設(介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護療養型医療施設)の定員数を超えてしまいました。

画像の説明

区分支給限度基準額に対する利用割合

有料老人ホーム(住宅型)とサービス付き高齢者向け住宅(指定なし)の区分支給限度基準額に対する利用割合は約9割に達しており、利用割合は高いと言えます。

画像の説明

要介護度別介護費

有料老人ホーム(住宅型)とサービス付き高齢者向け住宅(指定なし)は、要介護2以下では特養よりも介護費が安く、要介護3以上では、特養以上の介護費がかかっています。

画像の説明

大阪府の調査結果から必要以上に在宅サービスの提供がなされていないか

以上の調査結果により、介護サービス事業所の指定を受けていない⼤阪府内の「サービス付き⾼齢者向け住宅」や「住宅型有料⽼⼈ホーム」において、外部の在宅サービス利⽤に係る受給者1⼈当たり単位数が⾮常に⾼くなっています。

すなわち、必要以上に在宅サービスの提供がなされていないかという問題が提起されています。

これに対して大阪府は、次の対応策を示しています。

  1. 高齢者住まい入居者のサービス利用の適正化にかかる検討
  2. 集中的なケアプラン点検など適正化に向けた取組
  3. 高齢者住まいの質向上に向けた取組の強化として、「経営・組織力向上セミナー」「事例研修会」の実施等




a:2415 t:2 y:1