介護事業所が二極化している理由
こんにちは。大阪の介護専門税理士の松本昌晴です。
平成25年度介護事業経営概況調査結果から、訪問介護の収支差率(利益率)分布を抜粋しました。
ご覧いただくと一目でお分かり頂けると思いますが、訪問介護の収支差率(利益率)が、両サイドにマイナス20%以下とブラス25%以上が突出しています。
つまり訪問介護事業所は、すごく儲かっている事業所と大赤字の事業所に二極化されているのです。
平成28年度も介護事業経営概況調査結果が公表されていますので、訪問介護の収支差率(利益率)の分布図を見てみましょう。
一見すると、なだらかな山型をしており、二極化が解消されたかのように見えます。
しかし、よくグラフをご覧いただくと、平成25年度の調査のグラフに比べ、マイナス20%以下が細分化されて、マイナス25%以下、30%以下、35%以下、40%以下、45%以下、50%以下になっています。
同様にプラス25%以上が、30%以上、35%以上、40%以上、45%以上、50%以上に細分化されています。
要するに、二極化は解消されているわけではないのです。
通所介護についても同様です。
出典:平成25年度介護事業経営概況調査結果
以上の調査結果から見えてくること
収支差率(利益率)は、売上と経費特に人件費に左右されます。
しかし介護事業は、全国統一の報酬単位ですし、人員基準によって縛られていますから、人手を合理化して人員基準未満にすることはできません。
したがって、介護事業は売上や人件費をコントロールすることが限られているので、二極化しにくい事業と言えます。
にもかかわらず、何故すごく儲かっている事業所と大赤字の事業所が生じるのでしょうか?
それは、経営者の能力に違いがあるからです。
- 新規利用者の獲得のための営業ができているか?
- 従業員が満足する職場であるか?
- 自社の独自の売りがあるか?
- 経営方針が明確で、職員に浸透しているか?
- 基本的な財務の知識があるか?
など、経営者としての能力や知識が備わっていて、さらに人間的な魅力が必要です。
例えば、社長が従業員や利用者のことを考え実行し成功している、という姿について行こうという従業員が何人もでてくるでしょう。
そうなれば事業所は、大きくなり利益も出てくることになります。
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