アウトカム(結果)評価が本格的に導入される

こんにちは。大阪の介護専門税理士の松本昌晴です。

介護保険サービスの質の評価については、平成18年から社会保障審議会介護給付費分科会において、3年ごとに議論され課題として取り上げられてきました。

そして今回の介護報酬改定において、厚生労働省は次の通り明確にアウトカム評価が適しているとしています。

【第145回社会保障審議会介護給付費分科会資料より】

介護サービスの質の評価については、ストラクチャー、プロセス、アウトカムの3つの視点に分類でき、特に、「より効果的・効率的な介護サービスの提供に向けた取組を促すには、利用者の状態改善等のアウトカム(結果)の観点からの評価を活用することが適している」とされている。

画像の説明
出典:第145回社会保障審議会介護給付費分科会資料

アウトカム評価については、

  1. すでに平成18年度には介護予防通所介護及び介護予防通所リハビリテーションにおける要介護度の維持・改善を評価する事業所評価加算が導入されており、
  2. 平成24年には介護老人保健施設(老健)における在宅復帰を評価する在宅復帰・在宅療養支援機能加算が導入され
  3. 平成27年には訪問リハビリテーション及び通所リハビリテーションにおけるリハビリテーションによる社会参加を評価する社会参加支援加算が導入されています。

この様に部分的にアウトカム評価は報酬に反映されていましたが、今回の介護報酬改定は本格的に導入しようとするものです。

すなわち、利用者の状態改善等を評価するアウトカム評価は、一部の加算という形で導入されてきましたが、今回の介護報酬改定ではもっと広く全介護保険サービスまでアウトカム評価を導入しようとするものです。

介護サービスの質の評価に関する議論の変遷

平成18年度 介護報酬改定に関する審議報告

【全文】http://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/12/dl/s1213-4b.pdf

【抜粋】
サービスの質を確保するためには、利用者にとって自立支援のための最適なサービスの組合せを多職種協働で総合的に設計し、提供するケアマネジメントの仕組みが公正中立に機能することが最も重要である。

(中略)さらに、利用者との意思疎通に基づく適切なケアマネジメントの実施を前提としつつ、サービスの質、機能などに応じ、プロセス、成果を積極的に評価する。

制度改正により新たに導入される情報公表の仕組み等も踏まえ、利用者の視点に立ったサービスの提供を推進するとともに、不適切な事業者を適切に排除する観点から、今回の制度改正における事業者規制の見直しも踏まえ、基準の明確化を行いつつ、指導・監査の徹底を図る。


平成21年度 介護報酬改定に関する審議報告

【全文】http://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/12/dl/s1226-5k.pdf

【抜粋】
介護サービスの質の評価が可能と考えられる指標について、検討を行うこと。


平成24年度 介護報酬改定に関する審議報告

【全文】http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001zmek-att/2r9852000001zmgp.pdf

【抜粋】
介護サービスの質を評価するため、要介護度等の変化を介護報酬上評価することについて「介護サービスの質の評価のあり方に係る検討委員会」において検討が進められたが、要介護度等は様々な要因が複合的に関連した指標であり、その変化には時間がかかるとともに、利用者個人の要因による影響が大きいとの指摘がなされた。

しかしながら、介護サービスの質を向上させることは、大変重要な課題であるため、まずは、要介護認定データと介護報酬明細書(レセプト)データを突合させたデータベースの構築を図るなどの手段により、具体的な評価手法の確立を図る。


平成27年度 介護報酬改定に関する審議報告

【全文】http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000070815.pdf

【抜粋】
介護保険制度におけるサービスの質については、統一的な視点で、定期的に、利用者の状態把握を行い、状態の維持・改善を図れたかどうか評価することが必要である。

このため、介護支援専門員による利用者のアセスメント様式の統一に向けた検討を進めるとともに、ケアマネジメントに基づき、各サービス提供主体で把握すべきアセスメント項目、その評価手法及び評価のためのデータ収集の方策等の確立に向けた取組を行う。



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