要介護度改善による報酬引き上げは要介護3以下が対象か?

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こんにちは。大阪の介護専門税理士の松本昌晴です。

厚生労働省は、8月31日に平成28年度の「介護給付費等実態調査」を公表しました。

今日のブログでは、その実態調査から「要介護(要支援)状態区分の変化」について説明します。

今回の平成28年度の「介護給付費等実態調査」は、来年の介護報酬改定において基礎資料とされるため、介護事業者としても注目しなければなりません。

厚生労働省のホームページにも、介護給付費等実態調査の利活用事例として、

  1. 社会保障審議会介護給付費分科会資料
  2. 介護報酬改定に係る基礎資料
  3. 社会保障・税一体改革に係る基礎資料
    が挙げられています。
    http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/45-1c.html#link04

要支援2~要介護3では、軽度化より重度化の割合が高い

下の資料は平成28年4月から平成29年3月にかけて、要介護度が「軽度化」「維持」「重度化」のいずれに変化したかを調査したものです。

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出典:平成28年度 介護給付費等実態調査の概況(平成28年5月審査分~平成29年4月審査分)

上のグラフをご覧いただくと、維持すなわち要介護度が変わらない割合が7~8割程度となっていますが、要支援2から要介護3までは、軽度化すなわち改善した割合より、重度化すなわち悪化した割合が高くなっています。

インセンティの対象は要支援2から要介護3までか?

社会保障審議会の介護給付費分科会で介護報酬改定の議論がされていますが、利用者の改善状況などの指標に基づいて、アウトカム評価によるインセンティを導入しようとする議論が行われています。

そのアウトカム評価の重要な指標となるのが要介護度の改善です。

要介護度の改善は、要支援1~要介護5までのすべての区分で必要になるのですが、上のグラフで赤い○で示した要支援2~要介護3までは、軽度化(要介護度の改善)より重度化(要介護度の悪化)割合が高く、特に改善が期待されるところです。

また重度化して要介護4,5になると、改善するのは中々難しくなります。

9月7日の日本経済新聞一面トップに「介護度改善で報酬引き上げ」のタイトルで記載されていましたが、その記事の中に「要介護3以下の利用者が対象になる見通し」であると書かれていましたが、なぜ要介護度3以下であるかは、上の資料を見ると理解できます。



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