訪問介護の「生活機能連携加算」の要件緩和

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こんにちは。大阪の介護専門税理士の松本昌晴です。

平成29年11月1日に開催された第149回社会保障審議会(介護給付費分科会)において、7月5日に続いて2回目になる訪問介護の介護報酬改定の議論が行われました。

論点として挙げられているのが、次の5点です。

  1. 生活機能向上連携加算の見直し
  2. 「自立生活支援のための見守り的援助」の明確化
  3. 身体介護と生活援助の報酬
  4. 生活援助中心型の担い手の拡大(基準の緩和)
  5. 同一建物等居住者にサービス提供する場合の報酬
  6. サービス提供責任者の役割や任用要件等の明確化

本日のブログでは、「生活機能向上連携加算の見直し」について、介護報酬改正内容について解説したいと思います。

「生活機能連携加算」の要件緩和の内容は2つ

平成27年度の介護報酬改定において、生活機能向上連携加算の算定要件について、訪問リハビリテーションに加え、通所リハビリテーションのリハビリテーション専門職による訪問も対象に追加されました。

しかし、生活機能向上連携加算の取得数は、平成29年4月審査分(介護給付費等実態調査)で156件と低調な状況となっています。

このような状況に対して、厚生労働省は次の2点の緩和策を提示しています。

  1. 同行訪問に医療提供施設のリハビリ専門職を加える
  2. 同行訪問しない場合でも一定の条件のもと認める

同行訪問に医療提供施設のリハビリ専門職を加える

厚生労働省は、自立支援・重度化防止に資する訪問介護を推進するため、現行の訪問リハビリテーション・通所リハビリテーションの理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が利用者宅を訪問して行う場合に加えて、リハビリテーションを実施している医療提供施設の理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・医師が訪問して行う場合についても評価するとともに、リハビリ専門職との連携を促進するため、これらの報酬上の評価も充実するという方針を打ち出しています。

同行訪問しない場合でも一定の条件のもと認める

また、厚生労働省は、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・医師が、利用者宅を訪問することが難しい場合でも、次の条件を満たすときは、加算として評価することを提案しています。

  1. 訪問リハビリテーション・通所リハビリテーション・医療提供施設の理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・医師からの助言(アセスメント・カンファレンス)を受けることができる体制を構築し、助言を受けた上で、サービス提供責任者が生活機能の向上を目的とした訪問介護計画を作成(変更)すること。
  2. 当該理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・医師は、通所リハビリ等のサービス提供の場において、又はICTを活用した動画等により、利用者の状態を把握した上で、助言を行うこと。

ただし、上記の要件緩和については、介護給付費分科会の委員から質の担保ができるのか、という疑問を呈する意見が出されており、厚生労働省は引き続き議論を進めていく予定です。

なお、平成29年7月5日に開催された第142回社会保障審議会介護給付費分科会において、鈴木邦彦委員(公益社団法人日本医師会常任理事)は、次の発言をされており、今回の厚生労働省の提案に反映されています。

生活機能向上連携加算は有効であると思いますけれども、訪問リハビリか、通所リハビリと訪問介護を併用している方でないと利用ができないところがネックになっているのではないかと思いますので、それ以外の方でも医師の指示があれば、リハビリ専門職が行けるようにすることがよろしいのではないかと思います。

現行の「生活機能向上連携加算」の算定要件

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出典:第149回社会保障審議会介護給付費分科会資料



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