「自立生活支援のための見守り的援助」の明確化
こんにちは。大阪の介護専門税理士の松本昌晴です。
平成12年に出された通知として、「訪問介護におけるサービス行為ごとの区分等について」、いわゆる略称して「老計10号」と言われるものがあります。
これは次の通り、身体介護と生活援助とに区分され、自立支援や見守りのための調理・洗濯などは、身体介護の「1-6 自立生活支援のための見守り的援助」と定義されています。
平成29年7月5日に開催された第142回社会保障審議会介護給付費分科会において、稲葉雅之委員( 民間介護事業推進委員会代表委員)は、次の通り「老計10号」を見直すべきときが来ているのではないかと指摘しています。
老計10号ですが、作成後17年が経過しているので、改めてICFの視点や自立支援サービスの強化、介護予防の視点、医療介護連携の視点から、その定義や区分のあり方について、必要に応じて再度点検、見直しをするべきときに来ているのではないかとも思います。
身体介護として明確化
厚生労働省は、第149回社会保障審議会介護給付費分科会において、身体介護として明記されていないものがあり、取扱いが明確でないため、明確化することを提案しています。
そして具体例として、利用者と一緒に手助けしながら行う掃除(安全確認の声かけ、疲労の確認を含む)を挙げています。
この他にも、身体介護に当たるとして、多くが明記されそうです。
介護給付費分科会の委員の意見を反映
「自立生活支援のための見守り的援助」を身体介護として明確化するこは、過去の介護給付費分科会(平成29年7月5日)で発言された、例えば次の意見が反映しているのではないかと思われます。
齊藤秀樹委員(公益財団法人全国老人クラブ連合会常務理事)
生活援助は重度化予防に資すると評価できるものではないかと思います。そういう意味では、生活援助の評価が少し低過ぎるのではないか
齋藤訓子委員(公益社団法人日本看護協会副会長)
生活援助と身体介護をきれいに切り分けられるのかどうかは、少し疑問があります。
(略)
利用者が出来る範囲で参加すること自体が生活機能の維持・向上に資すると思いますので、利用者の状態に合わせた援助と家事代行とは区別していく必要があると思います。
生活機能を維持するための機能訓練の要素がある場合は訪問介護に残して、 そうではない 家事代行サービスなどは訪問介護以外のサービスを活用するというように、少し分けていく方向もあるのではないかと感じているところです。
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