通所介護の延長加算の単価引き上げは見送りか?

クリックして下さい。
     ↓↓↓
画像の説明

こんにちは。大阪の介護専門税理士の松本昌晴です。

6月21日に開催された介護給付費分科会において、通所介護の一般的な提供時間である8時間では、介護と仕事の両立が可能か疑問として、保育所の基本開所時間である11時間を通所介護でも提供できるように提案されていました。

【介護給付費分科会(6月21日)の論点】
通所介護について、利用者の必要な日常生活上の世話及び機能訓練を行うことにより、利用者の社会的孤立感の解消及び心身の機能の維持並びに利用者の家族の身体的及び精神的負担の軽減を図るという機能を踏まえ、サービスの提供実態等の現状、改革工程表、仕事と介護の両立、通所リハビリテーションとの役割分担等の観点も含め、そのサービスのあり方をどのように考える
か。

第141回社会保障審議会介護給付費分科会

また「介護離職ゼロ」は国の政策であり、通所介護の長時間化は既定路線と考えられていましたが、11月8日に開催された介護給付費分科会では、次の通り「慎重に検討すべき」として、一転、見送りの方針に転換しています。

単純に延長加算を引き上げることによる長時間サービスへのインセンティブ付けには懸念を示す意見が多数出たことや、延長ニーズが比較的低いことを踏まえ、慎重に検討すべきではないか

延長加算の引き上げ反対の理由

延長加算の引き上げは見送りになりそうですが、その理由として次の点が挙げられています。

  1. 介護職員と、働きながら介護をする家族介護者の両方について、働き方改革に逆行する可能性があること。
  2. 夜間帯に対応できる介護人材の確保が困難であること。
  3. 保育と介護では利用の様態が異なっているため、同列に議論すべきではないこと。
  4. 調査研究によると、利用者家族の延長サービスのニーズは比較的低いこと。

通所介護の延長サービスの利用ニーズは少ない

延長加算を引き上げることに反対する理由の一つに、「利用者家族の延長サービスのニーズは比較的低い」ということがあります。

延長サービスを利用していない理由のトップが、「延長サービスを利用する必要がないため」で47.3%を占めています。

また、延長サービスを「利用したいと思わない」と回答したのが、全体の79.0%を占め、通所介護の延長サービスの利用ニーズそのものが、少ないという調査結果が出ています。

通所介護の延長サービスの利用ニーズ

出典:第150回社会保障審議会介護給付費分科会資料


a:1697 t:2 y:1