定着率が高いと利益率も高くなる

こんにちは。大阪の介護専門税理士の松本昌晴です。

今日は従業員の定着率が高いと、事業所の利益率が高くなるということを解説します。

定着率が高いということは、退職者が少ないということです。

退職者が少ないということは、採用も少ないということです。

採用が少ないということは、求人の募集費用が少なくてすみます。

すなわち、費用が少なくて済むので利益が出るということになります。

画像の説明

募集費用が少なくて済むこと以外にもメリットあり

新しく採用した人が、すぐ即戦力になればいいですが、通常は教育したり仕事に慣れるまで時間がかかるのが普通です。

その期間は、効率が悪いです。

また、退職者が有給消化すると人件費の負担も増えますし、引継期間は2人分の人件費が発生します。

さらに、コロコロ職員が変わる事業所は、ケアマネージャーさんやご利用者さんにとって不安です。

ご利用者さんとやっと慣れたと思ったら、辞めてしまった。

これが何度も続くとケアマネージャーさんは、紹介していいのだろうかと考えます。

もし、それによって紹介が減ったら利益は減少します。

この様に定着率を高めることは、勤続年数が長くなり給料が上がるという側面もありますが、それ以上に無駄な費用を削減することができたり、利用者の紹介が増える可能性があり、全体として利益率がアップします。

私の事業所は会計事務所ですが、同じことが言えます。

かつては定着率が悪かったですが、5年ほど前から定着率がかなり高くなり、退職する人はこちらから退職をお願いする人か、辞めてほしい人が辞めるという状況になっています。

その結果、劇的に利益が改善し、その原資が職員の処遇改善につながっています。

人件費を抑えることが利益を増やすことになる

平成28年度介護事業経営概況調査結果によると、支出の中で一番ウェイトを占めているのが人件費で、売上に対する人件費の平均割合は、訪問介護で79.3%、通所介護で62.4%となっています。

このように介護事業所は人件費の割合が高く、いかに人件費を抑えるかが利益を上げる一つの大きなポイントになっています。

しかし人件費を抑えるために人件費を削減するのではなく、上で書きました通り、定着率を高めることによって結果的に人件費が抑えられるようにするべきです。




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