今後の介護事業所経営の5つのキーワード~重度者、医療行為、医療介護連携への対応~
こんにちは。大阪の介護専門税理士の松本昌晴です。
介護事業の経営者が、取り組むべき次の5つのキーワードのうち、今回は「重度者、医療行為、医療介護連携への対応」について述べたいと思います。
今後の介護事業所経営の5つのキーワード
介護事業者は重度者対応へ
財務省の提案の中で、早く軽度者を市町村の総合事業に移すようにと書かれています。
今回の制度改正で移るのは、要支援だけです。
しかし、近い将来、間違いなく要介護1と2の方も総合事業に移さざるを得ない時期がきます。
日本の高齢化の進行と財政負担を考えたら、介護保険という社会保障制度は必要なところに集中して投下するしかありません。
広くというのは、もう難しいです。
そうしますと、やはり軽度者、要介護1と2の方は、いずれは市町村事業に移され、ボランティア中心のサービスにならざるを得ません。
いずれは、要介護3以上の方が、介護事業者の利用者の中心になるのであれば、事業者としては早目に重度者へのケアへの取り組みが必要です。
介護事業者は医療行為対応へ
要介護3以上の方が中心となると、要介護4と5の方は基本的に寝たきりです。
寝たきりということは、医療行為が必要となります。
平成24年の制度改正で介護職員でもたんの吸引と経管栄養の2つができるようになりました。
認定特定行為業務従事者という新しい資格を職員が取得して、事業所単位で医療行為の認定事業所として、許認可を取ることで介護職員が医療行為を行うことができます。
やはり早く取り組ことが、重要になってきます。
医療介護連携への対応
介護事業者は重度者のケア、医療行為ができるということになると病院との連携が可能となります。
訪問介護で掃除、洗濯、料理が中心、デイサービスで日中のお預かが中心ですと、病院との接点は全くありません。
これからの時代は、地域包括ケアが、どんどん進んでいきます。
結果として、病院に入院できません。
施設に入れません。
その方が、自宅で過ごします。
地域の病院、診療所の役割は、非常に重要になってきます。
要介護4、5の方は寝たきりですから病院に外来診療に行くことは基本的にありません。
そうなると病院は往診なり訪問診療しなければなりません。
しかし、医師、看護師に数の限りがあるので、日常的に往診や訪問診療をすることはできません。
従って、お医者さんは地域の介護事業者と連携して、日常的には医療行為ができる介護職員にケアしてもらう。
病院の先生や看護師さんは、ピンポイントで往診や訪問診療をしていかないと成り立たなくなります。
介護事業者としては、重度者へのケア、医療行為というものに取り組むことで、病院、診療所との連携が可能になります。
これから、そういった病院のニーズが間違いなく増えていきます。
病院から患者さんの紹介があります。
病院、診療所には数に限りがあるので、早いもの勝ちです。
その意味は事業者は早く重度者へのケア、医療行為に取り組むべきです。
それをしないと、地域包括ケアシステムに組み込まれません。
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