実地指導体験談
先日、訪問介護事業所と居宅介護支援事業所を併設している介護事業所の実地検査に立ち会う機会がありました。
その時の、実地検査の状況をご報告します。
実地検査の通知は、文書で
- 対象事業所
- 実施日時
- 担当職員
- 閲覧書類
が記載して行われます。
実地検査(立入調査)の実施について(通知)
実地検査当日に準備いただく資料等
まず、最初にお互いの自己紹介があります。その時を再現すると、こんな感じでした。
まず、最初に市側から次のような、あいさつがあります。
「介護保険法第76条(※)その他関係法令に基づき、営利法人監査の立入検査をさせて頂きます。」
「まず、こちら○○市側から人員の紹介をします。○○市の○○です。同じく○○です。私○○です。○○市からは、以上3名で行いたいと思います。」
「続いて事業者様から、ご自己紹介をお願いします、」
介護事業所は次のように、あいさつします。
「私は株式会社○○○の代表をしています○○と申します」
「管理者の○○です。」
こんな感じで実地検査が始まります。
そして、最初に申請時に提出した事務所の写真と実際の状況を見て変更されていないか確認されました。
3人の方が調査に来られていましたが、利用者ファイルとサービス提供票をチェックする担当と人員基準・運営基準をチェックする担当に分かれて実地検査が行われました。
実地検査は、色々なところを調べられましたが、次の2点に重点を置いていたように思います。
- 不正請求
- クレーム対応
です。
不正請求は、利用者ファイルとサービス提供票をチェックしたり、サービス提供責任者やヘルパーさんの資格証やタイムカード、出勤簿とのチェックなどにより確認されていました。
また、クレームについては苦情対応報告書やヒヤリハット報告書をチェックされていました。
不正請求に重点を置くのは当然ですが、苦情処理対応報告書を丁寧に見ておられました。クレーム対応に関心が強いという印象です。
介護事業所のクレーム対応が不十分だと、そのクレームは役所へのクレームになるからだと思います。
会計事務所として興味のある会計の区分については、「会計区分はされていますか?」「はい、しています」だけで終わりました。折角、私の事務所が会計の区分をして、指摘されたら「この表を見せてください」と言っていたので、口頭での確認だけでなく資料を見て問題点があれば指摘していただければ良かったと思いました。
その他、調査された項目は次の通りです。
- 運用規程と重要説明事項、利用契約書の整合性のチェック
- 従業員の研修計画と実施状況
- 損害保険の更新
- 従業員一覧表と資格証、出勤簿等とのチェック
- 利用者ファイルとサービス提供票のチェック
- 携行する身分証明書の確認
- 領収書の発行
など
そして、調査の最後に我々は別室に移るように言われ、調査官は調査の結果を報告書にまとめ問題点を文書にして指摘報告され終了しました。
実地検査(立入検査)の結果について
指摘された事項について、サービス事業者は改善報告書の提出を求められています。
時間は、13時30分から16時30分の予定でしたが実際には16時までに終了しました。
特に大きな問題はなく終了したように思います。
以上が私の実地検査の体験談です。
なお、後日正式に実地検査(立入検査)の結果とその改善報告書の提出するよう通知がありました。
提出期限は2週間程です。
この改善報告書を提出しなかったり、度重なる改善指導でも改善されないと監査に移行されます。
ここでの丁寧な対応は重要です。
※介護保険法第76条
都道府県知事又は市町村長は、居宅介護サービス費の支給に関して必要があると認めるときは、指定居宅サービス事業者若しくは指定居宅サービス事業者であった者若しくは当該指定に係る事業所の従業者であった者(以下この項において「指定居宅サービス事業者であった者等」という。)に対し、報告若しくは帳簿書類の提出を命じ、指定居宅サービス事業者若しくは当該指定に係る事業所の従業者若しくは指定居宅サービス事業者であった者に対し出頭を求め、又は当該職員に関係者に対して質問させ、若しくは当該指定居宅サービス事業者の当該指定に係る事業所、事務所その他の指定居宅サービスの事業に関係のある場所に立ち入り、その設備若しくはその他の物件を検査させることができる。
②第24条第3項の規定は、前項の規定による質問又は検査について、同条第4項の規定は、前項の規定による権限について準用する。
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