寄付を仲介する団体を通しの寄付金の収益計上時期
寄付者から寄付金が直接NPO法人に入金される場合やクレジットカードによる寄付などの場合以外にも、NPO 法人が寄付を仲介する団体を通して寄付を受ける場合があります。
このよう場合に、いつの時点で収益に計上するのでしょうか?
次の2つの場合に分けて説明します。
- 寄付を仲介する団体が寄付金を預かっている場合
- 助成団体等からNPO 法人へ助成又は寄付をする形になっている場合
寄付を仲介する団体が寄付金を預かっている場合の収益計上時期
寄付を仲介する団体が寄付金を預かっている場合は、次の順番で最終的にNPO 法人に寄付金が入金されます。
- 寄付を仲介する団体のウェブサイト上等で、NPO 法人が寄付を集めます。
- 入金はいったん、その団体になされます。
- その後にその団体から一定の手数料を差し引かれて、NPO 法人に入金されます。
このような寄付では、入金はいったん、寄付を仲介する団体になされますが、寄付金についての所有権が仲介団体に移ったわけではありません。
あくまでも、寄付金の所有権はNPO 法人にあり、したがって領収書はNPO 法人から寄付者に発行されます。
NPO法人がクラウドファンディングで寄付を集める場合には、多くの場合、このような形態をとります。
収益の計上のタイミングは、
+クレジットカードによる寄付の場合、
債権譲渡契約によるクレジットカードによる寄付であれば、原則としてクレジットカードによる寄付を申し出た時点でNPO 法人への入金が確定したと考え、その時点で収益を計上します。
- 振込による場合
寄付者が仲介団体に振り込んだ時点で収益を計上します。 - クラウドファンディングによる寄付の場合
寄付金額が一定の金額に達した場合に限り成立するクラウドファンディングは、、一定の金額に達しない段階では、入金が確実ではありませんので、クレジットカードによる寄付をした段階では、収益に計上しません。 - 企業等が募募金箱を通してNPO 法人に寄付をする場合
企業等は募金者からの寄付金を預かっているだけですが、募金者が募金をした時点で金額を把握することはできませんので、企業等から募金寄付の通知が到着し、寄付金の金額が明らかになった時点で収益を計上します。
重要性が乏しい場合には、仲介団体からNPO 法人に入金された時に計上することも認められます。
助成団体等からNPO 法人へ助成又は寄付をする形になっている場合の収益計上時期
ある団体が寄付者から寄付を集め、それをその団体の運営委員会等で助成先を選定し、その後、選定されたNPO 法人に助成をするという形をとっている場合があります。
コミュニティ財団などの助成団体を通してNPO 法人に助成される場合や、ふるさと納税の仕組みを使って自治体を通してNPO 法人が寄付を受ける場合もこれに相当します。
このような寄付は、寄付金の所有権がいったん助成団体等に移転したうえで、一定の基準を通してNPO 法人に助成されますので、NPO 法人が、もともとの寄付者に領収書を発行することはなく、助成団体等が寄付者に領収書を発行します。
このような寄付については、寄付者がその助成団体等へ寄付をした時点では、その助成団体等(ふるさと納税の場合には自治体)への寄付であり、この時点ではNPO 法人は収益を認識しません。
助成団体等から助成決定の通知が到着し、助成金の金額が明らかになった時点で「確実に入金されることが明らかな場合」に該当することとなりますので、収益を計上します。
重要性が乏しい場合には、入金時に収益を計上することも認められます。
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