役員への人件費の支払いに使用する勘定科目
NPO 法人の役員は理事と監事ですが、両者には職務の違いがありますが、スタッフとの兼任できるかどうかの違いもあります。
- 理事
法人のすべての業務を実施することができます。したがって理事は、あるときは法人の運営管理者であり、あるときは使用人(従業員)であることができます。すなわち、スタッフとの兼任ができます。ただし、代表理事や理事全員が代表権を有している場合(代表権を制限していない場合)は、スタッフとの兼任はできません。 - 監事
一方、監事の職務は監査に限定され、スタッフとの兼任は禁止されています。したがって、財務諸表などを作成している税理士が、監事になることはできません。
以上の特徴のある役員(理事と監事)への人件費の支払いは、どのような科目で計上することになるのでしょうか?
理事と監事に支払った人件費の科目と活動計算書の表示
基本的には、
- 役員としての業務に対して支払った人件費は、「活動計算書に役員報酬(使用人兼務役員は給料手当)の科目で管理費の区分に表示」されます。
- 使用人(従業員)としての業務に対して支払った人件費は、「活動計算書に給料手当の科目で事業費の区分に表示」されます。
活動計算書 | 監事や代表権を有する理事 | 使用人兼務役員(※1)への 使用人分の支払 | 使用人への支払 |
事業費 | 役員報酬(※2) | 給与手当(※3) | 給与手当 |
管理費 | 役員報酬 | 給与手当(※4) | 給与手当 |
※1 使用人兼務役員とは、理事でありながら使用人(従業員)の業務を兼務している人を言います。
※2 例えば、障がい者のグループホームにおいて、サービス管理責任者としての給料の支給基準で計算している場合に計上します。
※3、※4 例えば、サービス管理責任者としての功績をたたえ経営陣に迎え入れる場合に、従来の使用人(従業員)としての業務に対する支払いは、活動計算書の事業費の給与手当の科目で計上(※3)し、役員手当など役員としての支払の部分は、活動計算書の管理費の給料手当(※4)に含めて表示します。
役員に委任する業務への対価を明確する目的
上記の通り、委任契約に基づく役員の業務に対する対価を役員報酬として、給料手当等の科目とは別個に表示します。
その目的は、「役員報酬」という科目とその金額が外部に明確に公開されることにより、役員が自分の報酬を自分で決められる立場から過大な報酬が支給される可能性があり、それを防止することにあります。
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