ご相談内容
訪問看護を開業するのに必要な資金はどれだけですか? 大阪市北区 40代女性
私は看護師ですが、訪問看護を自身で開業するのに資金はどのくらい必要でしょうか?
お答えします
訪問介護ステーションは医療法人が開設する場合がありますが、ここでは看護師が開設する場合にどれだけ資金が必要かについてお答えします。
さらに、出来るだけ少ない資金で開設することを念頭にします。
まず、開業時に必要な費用は、
- 会社設立費用
- 建物賃借するときの敷金・保証金
- 事務所備品、事務用品
などです。
賃貸する建物は、家賃や敷金・保証金が出来るだけ安いところを探します。
- 表通りに面する必要はなく、
- 駅前でなくてもよく、
- 新築でなくてもよく
- 広い面積でなくてもよく(最低でも20㎡以上)
さらに、家主さんに社会的意義の高い事業であることや入金が3ヶ月後であることを説明して、フリーレントの期間や家賃の値下げを交渉してください。
ダメもとです。交渉できるのは、この時しかありません。
また、事務所の机、椅子、書庫(鍵付き)などの備品は中古で十分です。
FAXやコピーは、最初から立派なものを揃えるのではなく、割安の複合機にします。電話機はビジネスフォンは高いので、家庭用の電話機にします。
このように出来るだけ抑えると、上記の1~4の費用は100万円以内で済むと思います。
さて、次は開業してからの費用です。
主な費用として人件費や家賃、その他の経費が発生します。
あなたが看護師で訪問看護ステーションを開設するなら、事業が軌道に乗るまで給料は無給です。
- 看護職員はあと1.5人必要ですが、給料を1人あたり1ヶ月35万円×1.5=52.5万円。
- 家賃が1ヶ月6万円。
- その他の経費が1ヶ月21.5万円
と仮定すると1ヶ月で80万円かかります。
ご利用者1人あたり5万円の収入があると仮定すると、80万円÷5万円=16人で損益トントンです。
開業してから、毎月新規のご利用者を3人ずつ獲得することができたとしたら、収支は次のようになります。
開業月 | 2ヵ月目 | 3ヵ月目 | 4ヵ月目 | 5ヵ月目 | 6ヵ月目 | 7ヵ月目 | 8ヵ月目 | 9ヵ月目 | 10ヵ月目 | |
ご利用者数累計 | 3人 | 6人 | 9人 | 12人 | 15人 | 18人 | 21人 | 24人 | 27人 | 30人 |
入金額 | 0円 | 0円 | 15万円 | 30万円 | 45万円 | 60万円 | 75万円 | 90万円 | 105万円 | 120万円 |
出金額 | 80万円 | 80万円 | 80万円 | 80万円 | 80万円 | 80万円 | 80万円 | 80万円 | 80万円 | 80万円 |
収支差額 | ▲80万円 | ▲80万円 | ▲65万円 | ▲50万円 | ▲35万円 | ▲20万円 | ▲5万円 | 10万円 | 25万円 | 40万円 |
繰越差額 | ▲80万円 | ▲160万円 | ▲225万円 | ▲275万円 | ▲310万円 | ▲330万円 | ▲335万円 | ▲325万円 | ▲300万円 | ▲260万円 |
この事例ですと繰越差額のマイナスが7ヵ月目で一番大きく▲335万円になります。
開業時の100万円と併せて、435万円の開業資金が必要になります。