介護事業者のための会計入門~按分基準の選択のポイント~

こんにちは。介護専門税理士の松本昌晴です。

「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」第38条では「会計の区分」について、介護サービスごとに会計を区分するように規定しています。

例えば、訪問介護事業と居宅介護支援事業をしている場合には、売上と経費を

  1. 訪問介護事業
  2. 居宅介護支援事業
  3. 上の2つの事業に共通
    3つに分けなければなりません。

そして、上の3の訪問介護事業と居宅介護支援事業に共通の経費(例えば、社長の給料や家賃、須藤光熱費など)を訪問介護事業
と居宅介護支援事業に按分(振り分ける)しなければなりません。

この按分するときに使う基準が按分基準です。

按分基準の例示

以下で代表的な按分基準を例示しました。

按分基準のうち、延利用者数割合が多くの科目で出てきます。

  1. 給与費
    勤務時間割合・職種別人員配置割合・届出人員割合・延利用者数割合 等
  2. 材料費
    各事業所消費金額・延利用者数割合・事業別収入割合
  3. 厚生費
    給与費割合・延利用者数割合
  4. 旅費、通信費、交際費、諸会費、雑費、渉外費
    延利用者数割合・職種別人員配置割合・給与費割合
  5. 消耗品費、被服費、教養娯楽費、日用品費、広報費
    各事業所消費金額・延利用者数割合
  6. 車両費
    使用高割合・送迎利用者数割合・延利用者数割合
  7. 会議費
    会議内容により事業個別費で区分・延利用者数割合
  8. 光熱水費
    メーター等による測定割合・建物床面積割合
  9. 修繕費
    建物は修繕部分で区分。建物以外は事業個別費として区分・建物床面積割合
  10. 賃借料、地代家賃等
    賃貸物件特にリース物件については物件の使用割合・建物床面積割合
  11. 減価償却費
    建物は、床面積割合・延利用者数割合。その他は、使用高割合・延利用者数割合
  12. 徴収不能額
    各事業の個別発生金額・各事業別収入割合
  13. 引当金繰入額
    退職給与、賞与は、給与費割合・延利用者数割合。徴収不能引当金は、事業毎の債権金額に引当率を乗じた金額・延利用者数割合
  14. 支払利息
    借入目的別の借入金に対する期末残高割合で区分。困難な場合、土地建物は、建物延面積割合。それ以外は、延利用者数割合

いずれにせよ、どの按分基準を選択するかについては任意ですが、一度選択したら原則として継続して適用する必要があります。



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