介護給付費の返戻の会計処理

こんにちは。介護専門税理士の松本昌晴です。

介護給付請求 を行った後、何らかの理由により請求の全部又は一部が事業者に返還されることがあります。

この場合、事務的な不備によるものは再請求することになります。

3つの会計処理方法

この返戻を伴う場合の会計処理については、次の3つの方法があります。

  1. 売上は、その月の発生額を計上し、返戻は再請求できない 分を確定した月に反対仕訳で取り消す方法。
  2. 売上は、その月の請求額を計上し返戻分は確定した月に反対仕訳で取り消す方法 。
  3. 売上は、その月の請求額を計上し入金があった月に請求額と入金額との差額を反対仕訳で取り消す方法。

具体的な仕訳例

(事例)
4月の発生額が100、5月の発生額が120
5月中に4月の発生額のうち10が返戻された。
その10の返戻額のうち5は再請求し、残り5は再請求できないことが分かった。
6月に4月分の介護給付費90の入金があった。
以上の事例で3つの会計処理方法を仕訳
【1番目の会計処理方法の仕訳】
4月 売掛金/売上 100
5月 売掛金/売上 120
   売上/売掛金 5
6月 預金/売掛金 90

【2番目の会計処理方法の仕訳】
4月 売掛金/売上 100
5月 売掛金/売上 125
   売上/売掛金 10
6月 預金/売掛金 90

【3番目の会計処理方法の仕訳】
4月 売掛金/売上 100
5月 売掛金/売上 125
6月 預金/売掛金 90
   売上/売掛金 10

私の考える正しい会計処理方法

あくまでも、その月の発生額がその月の売上高になります。

売上に計上する時期は、次の条件が当てはまったときです。

  1. サービスを提供していること、
  2. 請求する権利が発生していること、
  3. 請求金額が確定していること。

返戻のうち再請求できるものは、事務的な不備などにより請求が遅れているだけで、売上は確定しているものです。

私が税務調査官なら決算月の翌月以降の返戻を調べ再請求できる返戻が売上に計上されているか調査します。特に返戻額が多い場合には注意しなければなりません。



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