市町村が総合事業のスタートを早めるためのニンジン

こんにちは。大阪の介護専門税理士の松本昌晴です。

下の図は、総合事業の上限設定のイメージ図です。
総合事業の上限の設定

上の図をご覧ください。

予防給付は、このままいけば年平均で5.6%の割合で増加していきます。(実線で示された部分)

一方、総合事業の予算は後期高齢者数の伸び率3.7%に抑えられています。(点線で示された部分)

市町村が総合事業のスタートを遅らせたい理由

この様に、市町村は自然増5.6%対して予算を3.7%増に抑えなければなりません。

抑えるためには、市町村はボランティアなどを集め、今まで介護事業者が担っていた部分をボランティアなどに移行しなければなりません。

もし抑えられず3.7%増を超過した場合、その超過部分は市町村の負担となります。

市町村にとって総合事業は、大変重い負担です。

そのため、市町村は総合事業のスタートをギリギリまで、先に延ばそうと考えるのが普通です。

総合事業は、今年4月から法律がスタートします。

市町村は、2年間の経過措置があり遅くとも平成29年4月までにスタートしなければなりません。

上で述べた理由により、多くの市町村が総合事業を平成29年4月のギリギリにスタートさせるであろうと思われます。

国が総合事業のスタートを早めたい理由

一方、国は市町村にできるだけ早くスタートしてほしいと考えています。

その理由は昨日のブログに書きましたが、平成30年になると医療と介護の連携が具体化し市町村はそこに時間を取られ、総合事業を平成29年4月にスタートをすると、業務が重なって処理できなくなります。

そこで、国は平成30年に市町村の業務が集中しないように、医療と介護の連携がうまくいくように、総合事業を早くスタートさせてほしいのです。

市町村が総合事業を早くスタートさせるための誘導策

しかし、お願いするだけでは市町村は総合事業のスタートを早めません。

そこで考えられたのが、次の「新しい総合事業の上限について」です。
画像の説明
出典:厚生労働省「介護予防・日常生活支援総合事業の基本的な考え方」

国が考えたことは、通常は前年の3.7%上乗せの予算ですが、最初の3年間だけ10%上乗せるというニンジンをぶら下げました。

これによって、市町村に早く総合事業をスタートさせようと誘導しています。

高齢者の自然増が5.6%なので、それを上回る10%の上乗せは市町村にとって魅力的であり、総合事業のスタートを早めた方が得になると考える市町村は多いでしょう。

東京23区の多くは、今年4月からスタートすると言われています。

(ご参考)総合事業への早期移行に向けた市町村職員を対象とするゼミナール

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000065917.html



松本昌晴税理士事務所
大阪の税理士
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