介護事業所の規模拡大は正論 しかし小規模でも生き残れる
こんにちは。大阪の介護専門税理士の松本昌晴です。
昨日のブログで、「小規模だから生き残れないということはない、と私は考えています。」と書きました。
今日は、その話をします。
私は介護保険法改正のセミナーの最後に、イグアナの話をすることがあります。
どのような話をセミナーでするか、お伝えします。
海イグアナと陸イグアナ
イグアナは、もともと陸にしか住んでいませんでした。
サボテンの花や実を食べていましたが、サボテンはイグアナに食べられないように、どんどん上に伸びていきます。
そのためイグアナは、食べ物が少なくなりました。
食べ物に困ったイグアナの中から、海の中に栄養豊富な海藻があることを見つけそれを食べて、大きく数を増やした海イグアナが誕生します。
上の通り海イグアナ70万匹、陸イグアナ1万匹で、その差は歴然としています。
このイグアナの例から、介護事業者も介護保険法の改正という変化に対応していかなければ衰退しますと、セミナーで伝えています。
環境変化に適応できた海イグアナは大きな犠牲を払ったはず
ところで、上の写真の左側の海イグアナは、悠々と海の中を泳ぎ、今では簡単に海藻を食べることができます。
しかし、この海イグアナの先祖で最初に海の中に飛び込んだ多くは犠牲になったことでしょう。
そのうち成功者があらわれ、今日の繁栄につながったのだと思います。
この様に環境の変化に適応しようとすると、大きな困難が待っています。
環境変化に適応できなかった陸イグアナも生き残っている
一方、写真の右側の陸イグアナは背伸びをして、上に伸びたサボテンの花や実を取ろうと必死です。
陸イグアナの数は1万匹と海イグアナの70万匹に比べれば、圧倒的に数は少なくなっています。
しかし、数は少なくなっていますが生き残っています。
この事実から環境の変化に適応できなかったとしても、厳しい環境下ですが生き残っていけるということを証明しているように思います。
介護事業者が小規模でも生き残っていける条件とは
私は小規模だから生き残れる、という場合があると思います。
例えば、職員がたくさんいる事業所では、介護報酬が下がったからといって給料を下げるわけにはいきません。
ところが、例えば家族だけで経営している事業所であれば、介護報酬が下がったので来月から給料を下げる、ということは簡単にできます。
小規模だから小回りがきき、環境の変化にすぐ適応できるということがあります。
また、介護サービスは人対人のサービスなので、人間関係ができると続いていきます。
大きな家電量販店やスーパーなどとは違って、値段で勝負することができないのが介護事業です。
しかし、先日のブログでも書きましたが大規模な介護事業所が値引きを始めたら、大きな家電量販店やスーパーなどと同じような状況が生じるかもしれません。
結論として
介護事業所の規模を大きくすることは、経営者にとってこれからの課題です。
そのときに重要になってくるのが、経営者の能力です。
正直に申し上げると、一般企業を含め経営能力のある経営者は少数です。
経営能力がないのに規模拡大を目指すと、大きな犠牲を払わなければなりません。
ただ、経営能力は最初から身についているものではなく、困難を乗り越えていきながら学んでいくものだと考えています。
困難に立ち向かっていくという覚悟があり介護に対する熱い想いがあれば、規模拡大を目指すのもいいでしょうが、安易に規模を拡大すれば儲かるだろうと考えていると失敗すると思います。
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