居宅介護支援の報酬は基本報酬UPも、認知症加算等の包括化により実質引き下げ
こんにちは。大阪の介護専門税理士の松本昌晴です。
2月6日に発表された平成27年度介護報酬改定の概要(案)から、居宅介護支援について見たいと思います。
認知症加算及び独居高齢者加算の基本報酬への包括化
居宅介護支援の基本報酬は、次の通り3.6%~4.0%引き上げられます。
しかし、認知症加算と独居高齢者加算を算定している事業所にとって、この2つが基本報酬へ包括化されると実質的に引き下げになります。
両加算を取得している事業所は8割ほどあり、影響は大きいです。
【居宅介護支援の基本報酬】
要介護度 | 現行 | 改定後 | 増減率 | |
---|---|---|---|---|
居宅介護支援費(Ⅰ) | 要介護1,2 | 1005単位/月 | 1042単位/月 | +3.7% |
要介護3、4、5 | 1306単位/月 | 1353単位/月 | +3.6% | |
居宅介護支援費(Ⅱ) | 要介護1,2 | 502単位/月 | 521単位/月 | +3.8% |
要介護3、4、5 | 653単位/月 | 677単位/月 | +3.7% | |
居宅介護支援費(Ⅲ) | 要介護1,2 | 301単位/月 | 313単位/月 | +4.0% |
要介護3、4、5 | 392単位/月 | 406単位/月 | +3.6% |
【認知症加算及び独居高齢者加算の基本報酬への包括化】
現 行 | 改 定 後 | |
---|---|---|
認知症加算 | 150単位/月 | 基本報酬へ包括化 |
独居高齢者加算 | 150単位/月 |
特定事業所集中減算の適用割合と対象サービスの変更
正当な理由がないのに特定の事業所へのサービスが偏ると、特定事業所集中減算の対象となります。
紹介率が最高である法人の割合が80%を超えた場合、減算の対象になるので、居宅介護支援事業所を併設している介護事業所は注意が必要です。
特定事業所集中減算の対象になるかどうかは半年ごとに判定されるため、8月までは現行の90%要件が経過措置として適用され、9月以降は80%要件が適用されます。
特定事業所集中減算について、変更されないところと変更されるところを、次にまとめました。
【特定事業所集中減算の変更点】
現 行 | 改 定 後 | |
---|---|---|
減算される単位 | ▲200単位 | 変更なし |
適用割合 | 90%超 | 80%超 |
対象サービス | 訪問介護、通所介護、福祉用具貸与 | 居宅介護支援の給付管理の対象となるサービス |
特定事業所加算の変更点
- 特定事業所加算(Ⅰ)
単位数は、500単位/月と変わりません。
人員配置要件が強化され、人材育成に関する協力体制の要件が追加されています。
一方、中重度者の利用者が占める割合については緩和されています。 - 特定事業所加算(Ⅱ)
旧の特定事業所加算(Ⅱ)に人員配置要件が強化され、人材育成に関する協力体制の要件が追加されると、単位数が300単位/月から400単位/月とアップします。 - 特定事業所加算(Ⅲ)
旧の特定事業所加算(Ⅱ)に人材育成に関する協力体制の要件が追加されるだけの場合は、単位数が300単位/月と変わりません。
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