これからの介護報酬改定の方向性を探る

こんにちは。大阪の介護専門税理士の松本昌晴です。

介護事業者にとって、財務省の提言は注視しなければなりません。

なぜなら、財務省は予算編成権を持っているため発言力は強く、厚生労働省としても無視することができないからです。

今回の介護報酬改定の経緯を見ても、財務省の考え方が色濃く反映していることからも分かります。

「財政健全化計画等に関する建議」

財務省の財政制度等審議会において、「財政健全化計画等に関する建議 」が発表されました。

https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia270601/01.pdf

この中で、介護事業者としてに特に確認すべき点として

  1. 次期介護保険制度改革における軽度者に対する介護保険給付の見直し(資料内p26~p27)
  2. サービス単価の抑制(資料内p27~p29)
  3. 負担能力に応じた公平な負担(資料内p29)

の3つがあります。

次期介護保険制度改革における軽度者に対する介護保険給付の見直し

給付範囲を重点化

我が国の介護保険は幅広く要支援者・要介護者を対象としており、
軽度者(要支援・要介護1・要介護2相当)に対する給付が約4割を占めているが、公的な介護保険制度のある主要な国であるドイツ・韓国においては、保険給付の対象は中重度者(要介護3~要介護5相当)である。今後の制度の持続可能性や保険料等の負担を考えると、大きなリスクに対応するとの基本的考え方に沿って、質を確保しつつ、給付範囲を重点化していく必要がある

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軽度者に対する掃除・調理などの生活援助サービスや、福祉用具貸与等は、原則自己負担

まず、軽度者に対する掃除・調理などの生活援助サービスや、福祉用具貸与等は、日常生活で通常負担するサービス・物品であり、また、原則1割負担の下で単価が高止まりしている可能性がある。公的保険給付の重点化、競争を通じたサービスの効率化と質の向上を促す観点から、原則自己負担(一部補助)の仕組みに切り替えるべきである。

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軽度者に対する通所介護等のその他のサービスについては、地域支援事業に移行

また、軽度者に対する通所介護等のその他のサービスについては、提供されているサービスの内容に鑑み、人員や設備基準の規制を緩和して地方公共団体の裁量を拡大しつつ、地方公共団体の予算の範囲内で実施する枠組み(地域支援事業)に移行すべきである。これにより、地域のニーズに応じて、メリハリのある介護サービスが提供されるようになるとのメリットがある。

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サービス単価の抑制

診療報酬本体・介護報酬については、国民医療費や介護費は高齢化
等の要因によって増加し、医療機関・介護事業者の収入総額は増加していくことを踏まえ、国民の保険料負担を含めた負担増の抑制の観点から、メリハリをつけつつ、全体としてはマイナスとする必要がある。


負担能力に応じた公平な負担

介護保険制度についても、現在、月額上限つきで原則1割負担・一定以上所得者2割負担となっているが、次期介護保険制度改革において、2割負担対象者の対象拡大を図ることや、月額上限(高額介護サービス費)について医療の高額療養費と同様の観点から見直しが必要である。
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介護納付金についても所得に応じた負担とする観点から、現在の人頭割を改め、総報酬割へ移行すべきである。また、前期高齢者医療費納付金についても総報酬に連動して水準が決定される仕組みへと見直すべきである。

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松本昌晴税理士事務所
大阪の税理士
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