倒産件数が増えた原因は、介護報酬ダウンではなく介護事業者が多いため
こんにちは。大阪の介護専門税理士の松本昌晴です。
下のグラフは東京商工リサーチから引用したものですが、去年の夏ごろから介護事業所の倒産は、過去最大だという報道が行われていました。
昨年1月~12月までの倒産件数は、76件です。
その内訳はデイサービスが29件で、訪問介護が29件です。
開業してから5年未満の小規模事業所が、6割を占めています。
マスコミは結論ありきの報道
マスコミの結論は決まっていて、それを裏付けるインタビューなどをして情報を集めています。
答ありきで、それを裏付けるコメントを探しているのです。
従って報道をそのまま信じてはいけません。事実ではないことがあります。
マスコミが用意していたのは、4月の介護報酬改定で下がった結果、倒産が増えているというのが結末です。
しかし、76件の大部分は報酬が下がった影響ではありません。
なぜなら4月のサービス提供分が、国保連から銀行に振り込まれるのは6月25日ごろですから、介護事業者の資金繰りに報酬改定が影響するのは夏場以降となります。
ところが去年の倒産件数は、6月時点で41件、8月で55件となっていますので、倒産の原因として報酬のマイナスの影響は、ほとんど考えられません。
倒産の原因は、介護事業所が増えすぎたからだ考えられます。
訪問介護事業所の数は、去年の4月32600事業所、デイサービス42300事業所、居宅介護支援事業所38500事業所もあります。
ただ、今後は介護報酬ダウンによる影響がボディーブローのように効いてくる可能性があるので、徐々に倒産件数に表れてくるでしょう。