介護だけやっていれば良かった時代の終焉
こんにちは。大阪の介護専門税理士の松本昌晴です。
今まで介護業界は、どちらかというと売上や利益の追求というよりも、ご利用者への介護サービスを優先するという傾向がありました。
多少のお金がかかったり無駄なことであっても、ご利用者のためにというこで認めていました。
それができたのは、今まで介護報酬が高くて利益率が高かったからです。
大変失礼な言い方ですが、素人が介護事業をやっても何とかやってこれました。
去年までは介護業界の平均利益率は8%で、一般の企業の平均利益率は2%を大きく上回っているという財務省の統計が出ています。
それが正しいかどうかは別にして、介護業界は確かに他の業界に比べて利益率は高い方だと思われます。
介護事業は経営のプロでないとできなくなる
これが今までの介護業界の現状で、経営が出来ていない事業者でもやってこれました。
しかし、去年の報酬改定で平均利益率8%が半分になり、今まで素人でもやってこれたが、これからは経営が厳しくなってきます。
その結果、廃業や事業譲渡などが増えてきています。
いいサービスを出来るだけコストがかからない方法でする、ということを職員レベルまで浸透させなければなりません。
すなわち、経営ができる社長や管理者でなければなりません。
介護だけやっていれば良かった時代の終焉
厚生労働省は、介護保険制度ができてから約10年間ほどは、介護事業所の数を増やすことに重点を置いていたように思います。
介護を必要とる人がいるのに、その担い手がいないようでは問題です。
そこで厚生労働省は、介護事業所に質より量を優先させ、多少介護報酬が高くても事業所の数を増やすことに重点を置きました。
しかし、ここにきて介護事業所の数は過当競争と言われるほどに増え、また10年間で大手の介護事業所も現れるなど状況は変わってきました。
そこで厚生労働省は、介護事業所に量より質を求めるようになり、これからは介護サービスを維持・向上させながらも、同時に介護報酬が下がっても耐えられる事業所であることが必要になってきています。