財務省は介護給付費の抑制を再度提言~高額介護サービス費制度の見直し~

こんにちは。大阪の介護専門税理士の松本昌晴です。

11月17日に開催された財政制度等審議会において財務省は、介護給付費を抑制するための提言を再度訴え、財政健全化に向けて強い決意を表明しました。

また、社会保障費の伸びを年平均5,000億円に抑えることを目標に、もし2017年度でその目標が達成できないときは、その負担は2018年度に回されることも確認されました。

平成29年度予算の編成等に関する建議(平成28年11月17日)
http://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia281117/index.html

そこで財務省が提言している介護給付費の抑制策について、もう一度見てみたいと思います。

  1. 高額介護サービス費制度の見直し
  2. 介護納付金の総報酬割
  3. 介護保険における利用者負担の在り方
  4. 軽度者に対する生活援助サービスの在り方
  5. 軽度者に対する福祉用具貸与等の在り方
  6. 軽度者に対するその他給付の在り方
  7. 介護費の地域差の分析と給付の適正化

上記の内、今回は「高額介護サービス費制度の見直し」です。

高額介護サービス費制度の見直し

昨年8月から一定以上の所得ある方は、介護保険の利用者負担割合が1割から2割に引き上げられました。

その結果、一定以上の所得ある方は自己負担が2倍に増えたわけですが、高額介護サービス費制度により利用者負担の月額上限を超える部分は、公費負担となっています。

下図をご覧頂くと、「一般」の区分で2割負担施行前後で、高額介護サービス費の支給決定額が、6.7億円から26.7億円へと急増していることが分かります。

その原因は、「一般」の区分の高額介護サービス費(月額上限)が、医療保険の高額療養費の44,400円より低い37,200円であることが指摘されています。

画像の説明
出典:財務省「平成29年度予算の編成等に関する建議(平成28年11月17日)」

介護保険部会の議論

平成30年の介護保険制度改正に向けて、年内に最終意見をとりまとめるため、いま厚生労働省の社会保障審議会介護保険部会におて議論されています。

高額介護サービス費制度については、一定の高所得者には相応の負担を求める(応能負担)の考え方から、高額介護サービス費を高額療養費に合わせて見直すことが必要であるという意見が出ています。

しかし、慎重な検討が必要であるという次の意見もあり、まだ結論は出ていません。

  1. 要介護認定を受けている人の多くは、医療と介護の双方が必要で、保険外の食費・居住費負担もある。
  2. 介護は長期にわたるため、医療よりも上限額が低く設定されるようになった。それを、整合性を取るという理由で、引き上げるのはおかしい。




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松本昌晴税理士事務所
大阪の税理士
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