訪問介護の介護保険法改正の行方~サービス供給への保険者の関与~
こんにちは。大阪の介護専門税理士の松本昌晴です。
12月9日に社会保障審議会介護保険部会において「介護保険制度の見直しに関する意見」(以下「意見」)が取りまとめられましたが、これをもとにして介護保険法改正案が通常国会に提出される予定です。
したがって、介護事業者様にとって「意見」に何が書かれているかを読み解くことは、今後の経営にとって非常に重要なことであると考えます。
そこで、今回は「訪問介護」という言葉が、「意見」の中に書かれている部分を抜粋し、訪問介護事業者様に関係するところを確認したいと思います。
「介護保険制度の見直しに関する意見」の中で、「訪問介護」に関する記載事項
【サービス供給への保険者の関与】
○ 介護保険制度は、制度創設以来、在宅ケアを推進してきた結果、在宅サービスの供給量(事業所数)は拡大しているが、一方で、訪問介護・通所介護等の供給量が多いと判断している市町村もある。
○ 具体的には、定期巡回・随時対応型訪問介護看護や(看護)小規模多機能型居宅介護を推進していく観点から、一定の条件を満たす場合には、市町村は都道府県の行う訪問介護・通所介護の指定について、都道府県に協議を求めることができ、都道府県は、市町村との協議結果を踏まえて、訪問介護・通所介護の指定を拒否し、又は指定に当たり条件を付すことができることとされている。
市町村が訪問介護の指定を拒否したり、指定に条件を付けるという内容です。
各市町村によって事情が異なり、すべての市町村が訪問介護の指定申請を拒否することはありません。
大阪市の場合、訪問介護事業者様にとって気になるのが、財務省が出した次のグラフです。
上の図は訪問介護の従事者数が多くなればなるほど、一人当たりの訪問介護サービス費用が増えていく関係を示しており、大阪が一番高い割合になっていると財務省は指摘しています。
ただ、今回は「意見」の中で、「定期巡回・随時対応型訪問介護看護や(看護)小規模多機能型居宅介護を推進していく観点から」という条件が付いているので、大阪市がどの様に判断して介護保険事業計画を作成するか見てみないと最終的には分かりません。