平成30年介護報酬改定の議論で自立支援を評価することを検討

こんにちは。大阪の介護専門税理士の松本昌晴です。

昨日のブログで、介護の質の向上が介護報酬のアップににつながっていないどころか、介護の質を向上させると報酬が下がる体系になっていることを指摘しました。

しかし、厚生労働省も介護の質、すなわち要介護の改善をまったく介護報酬に反映していなかったわけではありません。

自立支援に資する介護に対して、過程(プロセス)を評価する方法や結果(アウトカム)を評価する方法で、インセンティブを付与しています。

例えば、プロセス評価として、

  1. 「リハビリテーションマネジメント加算」(平成18年度~)は、適切なリハビリの計画とその管理に対しての評価を行うもので、
  2. 「経口維持加算」(平成18年度~)は、摂食・嚥下障害等の低下が著しい入所者の経口維持支援を、多職種による会議等で充実させることに対して評価するものです。

また、アウトカム評価として、

  1. 「在宅強化型/在宅復帰支援機能加算」(平成24年度~)は、在宅復帰する利用者の割合が高い施設についての評価するもので、
  2. 「社会参加支援加算」(平成27年度~)は、サービス終了後、社会参加に資する取組に移行する割合が高いリハビリ事業所について評価を行うものです。

画像の説明
出典:未来投資会議構造改革徹底推進会合「医療・介護-生活者の暮らしを豊かに」会合(第5回)配布資料



しかし、プロセス評価やアウトカム評価は、一部の介護サービスに限られ、またデータベースを用いて自立支援に向けた介護の方法を分析し、「科学的に裏付けられた介護」が行われているわけではありません。

平成30年介護報酬改定では自立支援を評価

平成30年度介護報酬改定に向けた議論は、介護保険法案が国会を通過した後の4月以降、介護給付費分科会等で行われます。

その中で、研究・調査の結果等から、自立支援につながることが根拠をもって明らかにされたものについては、加算等で介護報酬に反映させることが検討されます。

そして、平成30年度以降も、科学的根拠に基づいた自立支援に資する介護を促進するような新たなインセンティブ付与の方法について、昨日のブログでも述べましたが、データベースの分析等も用いて行われる予定です。




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