利用者のニーズに応えることが失敗になることがある

こんにちは。大阪の介護専門税理士の松本昌晴です。

介護業界に限らず、一般企業においてもお客様のニーズを捉え、それに応えることが大事であるとよく言われます。

介護事業においても、利用者のニーズがあって、それをケアマネジャーがくみ取り、ケアプランに活かすという流があります。

いくらケアマネジャーから利用者を紹介してもらえるからといっても、利用者が求めていないサービスを提供していは、紹介はありません。

しかし、介護事業は一般企業と異なる側面があるため、利用者のニーズに応えることだけを考えていると失敗することがあります。

もう一つのニーズがあるのです。それは厚生労働省や自治体のニーズです。

介護事業は、国の事業なので、所轄官庁である厚生労働省の方針に従ってやらないと報酬ダウンや最悪の場合は指定取消となってしまいます。

2つのニーズが合致していなかった事例

利用者のニーズと厚生労働省・自治体のニーズが合っていなかった事例が、アミューズメント(カジノ)型デイサービスです。

画像の説明
出典:厚生労働省「政策レポート(介護予防)」
http://www.mhlw.go.jp/seisaku/2009/07/02.html

2年ほど前に神戸市などが、利用時間の半分以上をゲームとしているデイサービスを指定事業所としないという条例を定めました。

ゲームを楽しむ利用者には人気となり、ニーズに応えました。

しかし、介護保険が目指す「自立した生活」というより、個人の射幸心を著しくそそったりするカジノ等の問題が指摘され、神戸市などが条例を定め規制したのです。

すなわち、介護事業者は、利用者のニーズだけでなく、厚生労働省・自治体のニーズの両方に応えなければなりません。




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