職員の要望や悩み事を聞くことと定着率との関係
こんにちは。大阪の介護専門税理士の松本昌晴です。
昨日のブログは、計画やビジョンの明示が定着率アップにつながることを書きました。
言い換えると、経営者と職員とのコミュニケーションが良くできているほど、定着率が高いということをお伝えしました。
経営者と職員とのコミュニケーションの取り方には、色々な方法があります。
今日は職員の要望や悩み事を聞くことによってコミュニケーションをはかる方法が、定着率アップにつながるかどうかについて取り上げたいと思います。
日本政策金融公庫総合研究所は「面接やアンケートを行うなどして、介護職員や登録ヘルパーの要望や悩み事を聞くようにしているか」ということと定着率との関係をアンケート調査をしました。
その結果は、下図の通りでした。
出典:日本政策金融公庫総合研究所「訪問・通所介護事業者の経営実態」(平成28年1月26日)
定期的に要望や悩み事を聞く機会を設けている事業所が一番定着率が高い
「要望や悩み事を聞いているか」ということと定着率との関係は、定着率の高い順番に、
- 定期的に聞く機会を設けている 56.3%
- 気がつけば聞いている 51.6%
- 相談があれば応じている 44.5%
- あまり聞いていない 26.8%
という結果になっています。
皆さんの事業所では、職員の要望や悩み事を聞いているでしょうか?
介護関係の仕事をやめた理由として、 「職場の人間関係に問題があったため」が25.4%と一番高いことからも、経営者や職場の仲間とのコミュニケーションが重要であることが分かります。
出典:介護労働実態調査
要望や悩み事を聞かれる職員の立場で考えてみましょう。
職員は要望や悩み事があっても、経営者や上司に相談しにくいものです。
そのとき定期的に聞いてもらえる機会があれば、改善してもらえるかもしれないという希望があり、また悩み事を聞くという経営者の姿勢は職員に好印象を与えます。
勿論、経営者は職員の要望をすべて聞き入れるわけにはいきませんが、聞き入れることが経営上いいと判断して一部でも改善すれば、職員は自分の意見を聞いてもらえるという満足感を得られ、定着率のアップにつながるであろうと考えられます。
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