デイサービスを利用して要介護度の改善につながっているか?

こんにちは。大阪の介護専門税理士の松本昌晴です。

デイサービス(地域密着型を含めて)に求められている機能又は役割は、利用者に必要な日常生活上の世話及び機能訓練を行うことにより、利用者の

  1. 社会的孤立感の解消
  2. 心身の機能の維持
  3. 利用者の家族の身体的及び精神的負担の軽減(レスパイトケア)

を図ることにあります。

それではデイサービスが、実際にその機能や役割を果たしているでしょうか?

もしその機能や役割をデイサービスが果たしていないとなると、介護報酬改定において、デイサービスの存在意義すら問われることになりますので、事業者にとって重要なことです。

第141回社会保障審議会の介護給付費分科会において提出された資料から読み解きたいと思います。

デイサービスの利用者の要介護度の変化

デイサービスの利用者の1年前の要介護度と現在の要介護度を比較して、もし要介護度が悪化していたらデイサービスを利用することに疑問が生じます。

デイサービスの存在意義すら、問われることになります。

一方で、要介護度が改善していたら、デイサービスを利用していたからではないかと評価されるでしょう。

厚生労働省の「通所介護等の今後のあり方に関する調査研究事業」(平成29年3月)に調査結果が、下図の通り公表されています。

それによりますと利用者の1年前の要介護度と現在の要介護度を比較すると、いずれの要介護度とも維持されている人が過半数を占めています。

通所介護利用者の要介護度の変化

また、「通所介護等の今後のあり方に関する調査研究事業」の調査結果では、「特に、要支援1、2で維持効果、また、要介護3,4では向上(改善)効果が見られ、重度化の先送り効果を発揮している。」として、デイサービスに対して一定の評価をしています。

以上から、厚生労働省はデイサービスを利用することによって、要介護度の維持・向上があるとして評価しています。

ただ、1年前と比較していますが、1年で要介護度が大きく変わることがないので、2年前や3年前などとの比較がほしいところです。

要介護3から2への改善

「通所介護等の今後のあり方に関する調査研究事業」の調査結果によりますと、デイサービスの利用開始時に要介護3であった利用者で、現在要介護2に改善している利用者では、15.0%の人が「排泄介助」の必要度が改善されており、デイサービスの利用の成果が表れているとしています。

画像の説明

「通所介護等の今後のあり方に関する調査研究事業」(平成29年3月)

明日のブログでは、事業所の規模によって要介護度の変化が違うのか、について書きたいと思います。

もし、大規模事業所の方が小規模事業所より、要介護度の改善が見られたということになれば、小規模事業所の介護報酬改定にも影響がでる可能性があります



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