厚生労働省が考える「自立」の概念~活動・参加を含める~

こんにちは。大阪の介護専門税理士の松本昌晴です。

介護保険法第2条第4項は、次のように規定しています。

第一項の保険給付の内容及び水準は、被保険者が要介護状態となった場合においても、可能な限り、その居宅において、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるように配慮されなければならない。

また、23日に開催された介護給付費分科会には、次の「国際生活機能分類(ICF)」の資料が参考として提出されていますが、このことは厚生労働省が「国際生活機能分類(ICF)」の考え方を「自立」の概念に取り入れているということを意味します。

画像の説明

出典:第145回社会保障審議会介護給付費分科会資料

「国際生活機能分類(ICF)」の考え方

「国際生活機能分類(ICF)」は、生活機能(人が生きていくこと)の要素として「心身機能・身体構造」と「活動・参加」があり、その2つの要素に障害がないことが、より良い生活を送るために必要であるとしています。

  • 「心身機能・身体構造」とは
    心身機能というのは、身体系の生理的機能(心理的機能を含む)であり、視覚、聴覚、精神などの働きを言います。
    身体構造は,器官・肢体とその構成部分などの,身体の部分をさします。
  • 「活動・参加」とは
    活動とは,生活上の目的を持った行動をいい、課題や行為の個人による遂行のことです。
    参加とは,家庭や社会などと関わることです。

ここで注目していただきたいことは、厚生労働省は「自立」の概念に「心身機能・身体構造」だけでなく、「活動・参加」を含めていることです。

例えば、デイサービスで体操だけやるのが目的じゃなくて、それをすることによって家族と旅行に行けるようになるなど、参加活動に結び付けていくことが求められています。

自立」の概念には「心身機能・身体構造」だけでなく「活動・参加」も含む

「国際生活機能分類(ICF)」は、生活機能と障害を「心身機能・身体構造」と「活動・参加」に分類しており、高齢者リハビリテーションにおいては、この考え方に基づき、「自立」に向けたアプローチとして、生活機能や時間軸のそれぞれの段階に対し、異なるアプローチを行っています。

高齢者リハビリテーションのイメージ

出典:第145回社会保障審議会介護給付費分科会資料



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