同一建物減算の適用の有無によって、利用者間で不公平が生じる

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こんにちは。大阪の介護専門税理士の松本昌晴です。

会計検査院から厚生労働大臣に、同一建物減算の適用の有無によって、利用者間で不公平が生じているという意見書が提出されています。

なぜ、同一建物減算の適用の有無によって、利用者間で不公平が生じるかについて説明いたします。

次の「同一建物減算の適用による訪問介護の利用可能回数の増(概念図)」をご覧下さい。

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出典:「有料老人ホーム等の入居者が利用する訪問介護に係る介護給付費の算定について」

この図表を説明すると、1ヶ月の訪問介護の訪問回数が30回で区分支給限度基準額に達すると仮定すると、訪問介護事業者が同一建物減算の適用を受けない場合(上図の左側の棒グラフ)は、1ヶ月30回までの訪問介護の訪問回数であれば、利用者の負担は1割又は2割で介護保険を利用することができます。

一方で、訪問介護事業者が同一建物減算の適用を受ける場合(上図の右側の2本の棒グラフ)は、訪問介護事業所が同一建物減算の適用を受けると1割の報酬が減算されるので、訪問回数に換算すると区分支給限度基準額の1割すなわち3回分の空きが生ずることになります。

訪問介護事業所が同一建物減算の適用を受けることによって、利用者は介護保険で33回の訪問を受けることができるのです。

同一建物減算の適用の有無による利用者間の不公平

これは同一建物減算の適用の有無により、介護保険として利用できる訪問介護の回数に差違が生ずることになり、利用者間で不公平が生じます。

このような不公平に対して会計検査員院は、厚生労働大臣に同一建物減算の適用の有無により介護保険として利用できる訪問介護の回数に差違が生ずるなどがないように措置を講ずるよう意見を表明しています。

この19日の会計検査院の意見発表を受けて、20日に加藤勝信厚生労働大臣は、閣議後の記者会見で「会計検査院の指摘を重く受け止め、社会保障審議会介護保険給付費分科会で議論していただいて、必要な検討をする」と述べ、介護報酬改定において同一建物減算の改定が行われることは確実です。



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