4月から障害者の雇用率(法定雇用率)引き上げ

こんにちは。介護専門税理士の松本昌晴です。

日本経済新聞2013.3.4「障害者 環境整え戦力に」より

4月から企業に義務化付けられる障害者の雇用率(法定雇用率)が引き上げられ、大企業に比べ取り組みが遅れがちな中小企業も対応を迫られる。

独自に事前訓練の場を設けて作業の習熟度を高めたり、自動化を進めて働きやすい環境をつくったりする試みが広がる一方、職場で障害者の指導役になる人材を中小に紹介するサービスも登場してきた。

法定雇用率は、現在従業員56人の企業に1.8%が課されているが、4月以降は50人以上、2.0%になる。

人材や資金が十分でない中小にとっては義務を果たしながら、障害者をいかに戦力にしていくかが一段と重要な課題になる。

2012年6月1日現在の企業の障害者雇用数は2011年比4.4%増の38万2千人、雇用率は0.04ポイント増の1.69%といずれも過去最高だったが、法定の1.8%には届いていない。

従業員1千人以上の企業が1.90%なのに対し56~99人は1.39%、100~299人は1.44%だった。

2015年度から障害者の雇用数が法定雇用率に満たない場合に納付金を課される企業の範囲が、現在の従業員200人超から100人超に広がる。

民間企業における障害者の雇用状況(厚生労働省 平成24 年 障害者雇用状況の集計結果より)

民間企業における障害者の雇用状況

厚生労働省 平成24 年 障害者雇用状況の集計結果
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002o0qm-att/241114houkoku.pdf

平成25年4月1日から障害者の法定雇用率が引き上げになります。

事業主区分法定雇用率
現行平成25年4月1日以降
民間企業1.8% ⇒ 2.0%
国、地方公共団体等2.1% ⇒2.3%
都道府県等の教育委員会2.0% ⇒2.2%

障害者雇用率制度とは・・・

「障害者の雇用の促進等に関する法律」では、事業主に対して、その雇用す
る労働者に占める身体障害者・知的障害者の割合が一定率(法定雇用率)以上になるよう義務づけています(精神障害者については雇用義務はありませんが、雇用した場合は身体障害者・知的障害者を雇用したものとみなされます)。
この法律では、法定雇用率は「労働者※の総数に占める身体障害者・知的障害者である労働者※の総数の割合」を基準として設定し、少なくとも5年ごとに、この割合の推移を考慮して政令で定めるとしています。
今回の法定雇用率の変更は、同法の規定に基づくものです。
※失業中の人も含みます。


ご注意 ! 従業員50人以上56人未満の事業主のみなさまは特にご注意ください。

今回の法定雇用率の変更に伴い、障害者を雇用しなければならない事業主の範囲が、従業員56人以上から50人以上に変わります。
また、その事業主には、以下の義務があります。

  1. 毎年6月1日時点の障害者雇用状況をハローワークに報告しなければなりません。
  2. 障害者雇用推進者※を選任するよう努めなければなりません。

※障害者雇用推進者の業務

• 障害者の雇用の促進と継続を図るために必要な施設・設備の設置や整備
• 障害者雇用状況の報告
• 障害者を解雇した場合のハローワークへの届け出


障害者雇用 Q&A(厚生労働省)

Q1. なぜ障害者雇用を進める必要があるのでしょうか?
A1. 障害者雇用を進めていく根底には、「共生社会」実現の理念があります。障害者がごく普通に地域で暮らし、地域の一員として共に生活できる社会を実現するためには、職業による自立を進めることが重要です。
なお、障害者雇用率制度に基づく雇用義務を履行しない事業主は、法律に基づき、雇入れ計画作成命令などの行政指導を受けるとともに、その後も改善が見られない場合、企業名が公表されます。


Q2. 障害者はどのような仕事に向いているのでしょうか?
A2. 「障害者に向いている仕事」「向いていない仕事」というものはなく、一人ひとりの障害状況やスキルの習得状況、本人の希望・意欲に応じて、事務、販売、製造からシステムエンジニアなどの専門職までさまざまな職種で雇用されています。
(参考)障害者雇用事例リファレンスサービス http://www.ref.jeed.or.jp/


Q3. 障害者雇用納付金の取り扱いはどうなるのでしょうか?
A3. 障害者雇用納付金制度※においても、平成25年4月1日から新しい法定雇用率が適用されます。従って、平成26年4月1日から同年5月15日までの間に申告していただく分(平成25年4月から平成26年3月までの申告対象期間)から新しい法定雇用率で算定していただくことになります。
※ 障害者雇用納付金制度とは・・・
法定雇用率を下回っている事業主(従業員200人超)から、法定雇用障害者数に不足する人数に応じて納付金を徴収し、それを財源に法定雇用率を上回っている事業主に対して障害者雇用調整金、報奨金、各種の助成金を支給する制度です。
障害者を雇用するには、作業施設・設備の改善や職場環境の整備など、経済的負担が伴います。
この納付金制度は、障害者を多く雇用している事業主の経済的負担を軽減し、事業主間の負担の公平を図りつつ、障害者雇用の水準を高めることを目的としています。


Q4. 障害者を雇用する場合に活用できる支援制度はありますか?
A4. 障害者雇用のための各種助成金や職場定着に向けた人的支援など、さまざまな支援制度をご利用いただけます。まずは事業所管轄のハローワークにご相談ください。
<利用可能な支援の例>
○障害者雇用に関する各種相談、職業紹介  ハローワーク
○職場定着支援、事業主への助言  地域障害者職業センター、障害者就業・生活支援センター
○各種助成金 ハローワーク、高齢・障害・求職者雇用支援機構
(参考)厚生労働省ホームページ
トップページ「分野別の政策」 >雇用・労働 >雇用 >施策情報「障害者雇用対策」
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/shougaishakoyou/



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