今後の介護保険制度の方向性

こんにちは。介護専門税理士の松本昌晴です。

第10回 社会保障制度改革国民会議(4月22日開催)から、今後の介護保険制度の方向性を探ってみましょう。

社会保障制度改革国民会議では、

  1. 高所得者の自己負担増。
  2. 軽度者を介護給付から外す方向性。
  3. デイの機能訓練強化
    などが議論されています。

平成27年の介護保険法と介護報酬のダブル改正に少なからず影響するでしょう。

介護事業者様は、介護保険法や介護報酬が改訂されても対応できるよう早めに準備しておく必要があります。

第10回 社会保障制度改革国民会議の「介護サービスの効率化及び重点化」の項目に、次のことが書かれています。

重度要介護者の在宅生活限界点を高めるべき。

医療の機能分化のためには、しっかりした地域包括ケアを構築すべき。介護施設利用の適正化のためにも町のインフラ作りの全体的な取り組みが必要。介護は、24時間巡回型介護、訪問看護などで、重度要介護者の在宅生活限界点を高めるべき。サービス付き高齢者住宅(住まい+生活支援等)を整備し、そのため、空き家・空き施設など既存社会資源を有効活用すべき。

重点化・効率化

介護について重点化・効率化が求められており、骨太の方針を示すべき。

介護の自己負担・ 利用者負担の整合性確保が必要。

継ぎ目のない「医療」「介護」システム構築の観点からの医療・介護の自己負担・利用者負担の整合性確保が必要。70-74歳の現役並み所得の医療費自己負担3割。ところが、介護に移行すると利用者負担1割。他方、75歳以上の高齢者では「医療」から「介護」へ移行しても1割負担のままであり、全体の整合性を確保していくべき。

利用者負担の在り方

利用者負担の在り方については、一定所得以上の所得がある者や預貯金などの資産を有する者には、応分の負担を求めるべき。

軽度の高齢者(※要介護2以下)は、保険給付(※介護保険から外し)

軽度の高齢者は、見守り・配食等の生活支援が中心であり、要支援者の介護給付範囲を適正化すべき。具体的には、保険給付から地域包括ケア計画と一体となった事業に移行し、ボランティア、NPOなどを活用し柔軟・効率的に実施すべき。

デイサービスは、重度化予防に効果のある給付への重点化などが課題。

デイサービスは、重度化予防に効果のある給付への重点化などが課題。

地域の助け合い活動を拡大し、保険のカバー範囲を見直すべき。

引退後の引きこもりを予防し、地域の人的資源として活躍を促進するため、自治体による各種サポーター養成講座の提供、地域貢献活動の紹介により、地域の助け合い活動を拡大し、保険のカバー範囲を見直すべき。

特別養護老人ホームは中重度者に重点化

特別養護老人ホームは中重度者に重点化。軽度者を含めた低所得高齢者の住まいの確保が新たな課題。

低所得となる所得や世帯のとらえ方

補足給付は、所得だけではなく、預貯金や不動産などの資産を勘案して給付すべき。また、低所得となる所得や世帯のとらえ方について、遺族年金等の非課税年金、世帯分離された配偶者の所得等を勘案するよう見直すべき。



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