介護事業者は事業規模の拡大が生き残る一つの方法
こんにちは。大阪の介護専門税理士の松本昌晴です。
下記の図は昨日のブログに掲載したもので、厚生労働省の社会保障審議会介護給付費分科会の資料です。
小規模が一番報酬が高い
【規模別の介護報酬の比較】
出典:第114回(平成26年11月13日)の社会保障審議会介護給付費分科会
上の図の通りデイサービスの報酬は、小規模>通常規模>大規模(Ⅰ)>大規模(Ⅱ)の順番です。
小規模は通常規模より16.3%~16.8%高く、大規模(Ⅰ)は通常規模より1.7%~1.6%低く、さらに大規模(Ⅱ)は通常規模より4.4%~4.2%低いです。
定員10人以下の小規模デイが一番報酬が高いことから、小規模デイが急激に増える原因の一つになりました。
規模のメリットは大きい
ところで、報酬が一番高いからと言って小規模を選択することがベストの選択と言えるでしょうか?
必ずしもそうとは言えません。
次のグラフをご覧ください。
平成26年介護事業経営実態調査結果資料に基づいて、作成したものです。
上のグラフは、1ヶ月の利用回数別の利益率を示したものです。
利用回数は、次のように規模別に分類できます。
- 300回未満は小規模
- 301~750回は通常規模
- 751~900回は大規模(Ⅰ)
- 901回以上は大規模(Ⅱ)
上のグラフで平成26年の小規模に該当する「151~300回」の利益率は7.70%対して、通常規模に該当する「301~450回」の利益率は5.10%と低くなっています。
これは、小規模が通常規模より16.3%~16.8%高く報酬が設定されているからです。
ところが、小規模より低い報酬が設定されている大規模(Ⅰ)や(Ⅱ)の利益率をご覧下さい。
平成26年の大規模(Ⅰ)の利益率は13.90%、大規模(Ⅱ)の利益率は17.40%と小規模より報酬が低いのに利益率が高くなっています。
このことは何を意味するのでしょうか?
規模のメリットが、デメリットである少ない報酬を上回っていることを意味します。
介護事業者として規模の拡大を目指すことは、重要なテーマであると考えます。
規模のメリットとは
規模が大きくなると、なぜ利益率が高くなるのでしょうか?
それは、売上が増えても比例して増えない固定費(たとえば、家賃など)があるからです。
メーカーが、大量生産によりコストを下げているのと同じです。
ただ難しくなるのが、組織のまとまりをどうするかという問題があります。
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