厚労省がハードルの高い訪問介護の特定事業所加算(Ⅳ)を新設した意図

こんにちは。大阪の介護専門税理士の松本昌晴です。

訪問介護の特定事業所加算(Ⅳ)は、昨日のブログでも書きましたように取得するにはハードルは高いです。

要介護3以上60%という条件があるからです。

普通に考えたら、加算を取得するのは無理です。

それでは、なぜこの加算が今回できたのでしょうか?

その意味を考えなければいけません。

厚生労働省はこの条件をクリアーできると考えています。

また、この加算を取得してもらわないと困ると考えています。

厚生労働省は、訪問介護事業所が要介護3以上のご利用者にシフトしてほしいいと考えています

その理由は、2つあります。

要介護1,2は介護保険から将来、外されるから

財務省は、要介護1、2の方を早期に介護保険から外し、市町村の総合事業に移すように提言しています。

そのため、訪問介護事業者は、要介護3以上にシフトするように言っているのです。

この傾向は、同じ理由でデイサービスやデイケアにもあります。

デイサービスやデイケアにも、今回、中重度者ケア体制加算ができました。

この加算の算定要件は、要介護3以上の方がデイサービスは30%以上です。

この様に、国は訪問介護、デイサービスともに要介護3以上の方を増やしたいと考えています。

近い将来、要介護1、2の方が、介護保険から外されことになると、事業者はできるだけ早く要介護3以上の利用者を増やす必要があります。

その準備としての加算が、訪問介護であれば特定事業所加算(Ⅳ)です。

要介護3の方が特養に入れないから

いま、要介護1、2の方が在宅事業者の利用者として多い理由は、特別養護老人ホームなどに要介護3以上の方が入所しているからです。

ところが、特別養護老人ホームは、今月4月から実質的に要介護4以上しか入所できません。

要介護3の人は、ほとんど入所できません。

したがって、要介護3の人は、自宅に戻らなければりません。

今後、在宅サービスの利用者として、要介護3の方が増えてくる。

なぜ、特養は要介護4以上でないと入所できないか?

特養の入所条件は、原則として要介護3以上です。

ところが、特養は今回の改正で報酬ダウンしため、日常生活継続支援加算(Ⅰ)を取得するところが多いと思われます。

その算定要件の中で、新規入所者を要介護4以上にすることによって、安定的に加算が取得できます。

そのため、特養の多くは加算取得のため新規入居者を要介護4以上にすると思われます。

その結果、要介護3の方は特養に入所することはできません。

【特養の日常生活継続支援加算】
画像の説明
出典:厚生労働省全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議資料「平成27年度介護報酬改定関係資料」




松本昌晴税理士事務所
大阪の税理士
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