訪問介護事業所で9400万円の返還になった事例
こんにちは。大阪の介護専門税理士の松本昌晴です。
愛知県の訪問介護事業所で、今年の9月に指定取消しになり、しかも返還金額が7000万円に罰金2400万円を加えた、総額9400万円の処分がなされた事例がありました。
詳しい内容は、次の愛知県の「介護サービス事業所の行政処分について」のページに記載されています。
http://www.pref.aichi.jp/0000086473.html
不正の内容は、
訪問介護の介護報酬は、サービス提供責任者が作成する訪問介護計画に基づいて請求できるが、介護サポートあいちは、無資格者である管理者が作成した訪問介護計画をもとに25名の利用者に対して、268件、69,325,981円の介護報酬を不正に請求した。
訪問介護事業所のサービス提供責任者の一番重要な仕事は、訪問介護計画書を作成することです。
すなわち、訪問介護計画書を作成できるのは、管理者ではなくサーサービス提供責任しかできません。
介護サービス計画書のないサービス提供は不正請求
もし、サービス提供責任者が介護職員として現場に出ていて、訪問介護計画書の作成を管理者がしていたらどうなるでしょうか?
訪問介護に限らず、すべての介護サービスは計画に基づいて提供されます。
管理者が訪問介護計画書を作成していたら、サービス提供責任者が作成したものでないので、計画そのものがなかったということになります。
当たり前ですが、訪問介護計画書のないサービスを提供しても、介護保険の請求はできません。
愛知県の事例は、管理者が作成した訪問介護計画書に基づいて提供されたサービスの請求をすべて返還するように処分されたため、7000万円という多額の金額になってしまいました。
サービス提供責任者の方が現場に出られることはあるかと思いますが、訪問介護計画書の作成は管理者に任せず、ご自身ですべて作成されることにご留意ください。