改正介護保険法審議の行方~生活援助の保険外 今回は見送りか?~

こんにちは。大阪の介護専門税理士の松本昌晴です。

平成30年の介護保険法改正で最初のテーマになったのが、訪問介護の生活援助サービスについて、要介護1と2の方の介護保険サービスを、市町村の介護予防・日常生活支援総合事業(通称「総合事業」)に移すことでした。

このテーマが最初に読売新聞で報道されてから大きな国民の反対もなく、また保守政権が選挙で安定政権になったことから、必ず生活援助は今回の介護保険法の改正で介護保険から外されるものと考えていました。

ところが10月12日に開催された社会保障審議会介護保険部会で、次の2つの理由により、来年の介護保険法改正には盛り込まれないということになりそうです。

  1. 総合事業の多様なサービスの展開が十分でないこと。
  2. 総合事業の良し悪しの検証ができていないこと。

総合事業の多様なサービスの展開が十分でないこと。

生活支援が介護保険から外れて総合事業に移ったとしても、受入側の総合事業の体制が整っていなければ、要介護1と2の方は生活援助サービスが受けられないことになってしまいます。

これについては、9月30にに開催された介護保険部会において、「要支援者へのサービス移行状況」の調査結果があり、それによりますと、平成28年4月時点で

  1. 主な実施主体は介護サービス事業所であり、
  2. 主なサービスの担い手は介護専門職であり、
    「多様な主体」によるサービスの提供は、まだこれからと言ったところです。

画像の説明
出典:第65回社会保障審議会介護保険部会資料平成28年9月30日 参考資料2 地域支援事業の推進(参考資料)

元気な高齢者を主体とするボランティアが多数集まらなければ、介護保険から外れた要介護1,2の生活援助サービスを十分に提供することはできません。

この様な現状では、生活援助を総合事業に移すのは難しいという結論に、今回の改正ではなりそうです。

総合事業の良し悪しの検証ができていないこと

総合事業は、平成29年4月までに全市町村が移行することになっており、まだ一部の市町村しか移行されていません。

そのような状況で、総合事業の評価は十分に行われておらず、例えば総合事業に移行した結果、ボランティアの質が悪くて苦情が殺到しているということがあると、総合事業に移行しいない方が良かったという意見が続出する可能性があります。

ある程度、総合事業の評価が定まり、これなら総合事業に移行しても問題ないであろうという検証が、できてからでいいのではないかという意見が出ています。




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松本昌晴税理士事務所
大阪の税理士
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