改正介護保険法審議の行方~軽度者の利用者負担割合~
こんにちは。大阪の介護専門税理士の松本昌晴です。
介護保険法改正のテーマの一つに、利用者の負担割合について軽度者の負担額を引き上げるべきであるかがあります。
利用者の負担割合については、介護保険制度ができてしばらくは1割でしたが、平成27年8月から一定以上の所得のある方については、2割負担が導入されました。
この利用者負担について、財務省は下図を示して軽度者の利用者負担割合を引き上げるべきであると指摘しています。
【費用額の伸び率とサービス受給者1人当たり利用者負担額(月額)】
出典:第67回社会保障審議会介護保険部会(平成28年10月19日)資料
軽度者の費用額の伸び率は高い
軽度者(要介護1,2)は中重度者(要介護3~5)に比べて、
- 棒グラフで示される1人当たり利用負担額は小さい。
- 折れ線グラフで示されている費用額の伸び率(H21→H26)が高くなっています。
財務省はこの点を指摘し、軽度者が支払う利用者負担額が、中重度者が支払う利用者負担額と均衡する程度まで、要介護区分ごとに軽度者の利用者負担割合を引き上げるべきであるとしています。
緑の点線まで軽度者の負担額を上げたいとしています。
介護保険部会の意見
財務省の提言に対して、介護保険部会の委員からは反対意見が続出しています。
反対意見の根拠として、軽度者になると負担割合が高くなるので自立支援への意欲が削がれることが挙げられています。
この様に介護保険部会の委員からは反対意見が多いので、却下される可能性もありますが、いまだ結論は出ておらず今後の議論の行方が注目されます。