サービス付き高齢者向け住宅の現状と課題~状況把握・生活相談・高齢者生活支援サービス~
こんにちは。大阪の介護専門税理士の松本昌晴です。
サービス付き高齢者向け住宅(以下「サ高住」)の入居者は、
- 60歳以上の人、または
- 要介護・要支援の認定を受けている人
が対象で、自立している人から介護等を必要とする人まで幅広いです。
この様に幅広いサ高住の入居者は、多様なニーズを持っています。
特に入居者の約9割が、要介護・要支援の認定を受けており、また約4割が認知症自立度Ⅱ以上であり、介護等を必要な人がサ高住に多く入居しています。
出典:国土交通省「サービス付き高齢者向け住宅の整備等のあり方に関する検討会第7回資料(平成 28年4月27日)
状況把握・生活相談サービスの課題
サ高住は、日常的な支援を担ってきた家族や近所の方に代わって、見守りや生活相談サービスを提供する職員が担います。
常駐する職員は入居者の日々の状況を把握し、
- 日常生活上の相談を受け
- 必要があれば、地域の様々なサービスにつなげる
など、入居者の安定的な居住ができるような支援をする必要があります。
しかし、状況把握・生活相談サービスの実態を見ると、
- 日中の職員数や職員の資格には大きなバラツキがあったり
- 入居後のアンケート調査では、人員体制や職員の質に不満があると回答している人が一定数あります
このことから、サ高住は状況把握・生活相談サービスについて、いま以上の質の向上が求められます。
高齢者生活支援サービスの課題
サ高住は、必須の状況把握・生活相談サービス以外に、様々な任意サービスが提供されています。
高齢者生活支援サービスの提供状況を見ると、
- 食事の提供 96%
- 入浴等の介護 46%
- 調理等の家事 49%
- 健康の維持増進 59%
となっています。
出典:国土交通省「サービス付き高齢者向け住宅の整備等のあり方に関する検討会第7回資料(平成 28年4月27日)
この様にサ高住は色々な任意のサービスが提供していますが、個々のサ高住では提供するサービスは一様ではなく、入居者は自分が求めているサービスを提供してくれるサ高住を選択しなければなりません。
しかし、選択するためのサービス内容の提供は不充分であり、この点については先日のブログでも書きましたが、国土交通省は、サービス内容の情報を充実させるため、
- 職員の人数
- 職員に占める介護福祉士など資格保有者の割合
- 建物近くで利用できる介護サービス
- 重度の認知症患者受け入れの可否
- 現入居者の年齢や要介護度の内訳
を事業者に情報の公表を求める予定です。