サービス付き高齢者向け住宅の現状と課題~医療・介護サービス~
こんにちは。大阪の介護専門税理士の松本昌晴です。
サービス付き高齢者向け住宅(以下「サ高住」)の入居者にとって、医療や介護等のサービスと適切な連携があるかどうかは、サ高住の選択において重要な要素です。
入居者に対する医療・介護ニーズへの対応
ところで、サ高住の入居者への医療・介護ニーズへの対応はどうなっているでしょうか?
国土交通省のアンケート調査によりますと、サ高住の約8割が1つ以上の高齢者生活支援施設を併設又は隣接していると回答しています。
多くのサ高住は、自社の介護サービス等と連携しており、効率的なサービス提供が行うことができ、自社の利益アップにつながっています。
しかし、一部には自社の介護サービスを利用するような誘導を行い、利用者の囲い込みや過剰なサービス提供が行われているのではないかとういう指摘があります。
また、入居前の前説明で、外部の介護サービス等が利用可能であることを説明していない事業者がいます。外部の介護サービス等を入居者が自由に選択することが求められます。
【事前説明の内容】
出典:国土交通省「サービス付き高齢者向け住宅の整備等のあり方に関する検討会第7回資料(平成 28年4月27日)
重度化への対応
サ高住の入居者には、自立している人から要介護や認知症の人まで多様な方がおられます。
現状でも、サ高住の入居者の約3割が要介護度3以上であり、約4割が認知症自立度Ⅱ以上です。
今後、これから入居者の高齢化等により、医療・介護サービス等を必要とする人が増えてきます。
そのためサ高住は、
- 看取りを行える体制を整備すること
- 特殊浴槽等の設備を整えること
- 周辺地域の医療・介護サービスを含めて整えること
など、入居者の重度化に対応するための体制を整えなければなりません。
【要介護度の進行等に伴う入居継続に関して事業者が感じた課題】
出典:国土交通省「サービス付き高齢者向け住宅の整備等のあり方に関する検討会第7回資料(平成 28年4月27日)